2011年6月25日土曜日

日本大通りスケッチ

「日本大通り」とは、また御大層な名前である。

日本初の西洋式公園「横浜公園」と、横浜初の波止場―イギリス波止場(現在の「象の鼻パーク」)を結ぶ日本初の西洋式街路  ―  と「初」が三つも重なる大層なものなので、それも致し方ないのかもしれない。

完成は明治3年頃とのことだが、当時から36mの幅員を誇るメインストリートであった。
馬車の時代にそんな大通りが必要かとも思うが、西の外国人居留地と西の日本人街を区分するとともに、慶応2年の大火のあとということもあり、防火帯の意味合いも強かった。

日本大通り:横浜開港資料館前 (smc PENTAX-A 50/1.4)

日本大通り:三井物産横浜ビル前 (RICOH GX-200)

日本大通り ちょうどフラワーフェスティバルをやっていた(2009年)  (RICOH GX-200)

フェスティバル終了直後 (RICOH GX-200)

皆でぐちゃぐちゃにしてしまう (RICOH GX-200)

祭りとなると名物おじさん登場  (RICOH GX-200)


現在でも、県庁や裁判所、日本銀行などが立ち並ぶ行政の中心街であるが、開港資料館、三井物産横浜ビル、旧商工奨励館、旧関東財務局などの有名近代建築群が立ち並ぶ通りでもある。

イチョウの大木が立ち並ぶ通りは、幅広い植樹帯を持つ歩道と合わせ、有効な都市景観となっている。歩道にはオープンテラスが設けられている。そこは関内を一巡りした最後に立ち寄る格好の憩いの場所だ。

神奈川県庁 (RICOH GX-200)

日本銀行 (RICOH GX-200)

三井物産横浜ビル  (smc PENTAX-A 50/1.4)

日本大通りオープンテラスにてスケッチ  (RICOH GX-200)



横浜地方裁判所

神奈川県庁

日本大通り オープンテラスでスケッチ その2    (smc PENTAX-A 50/1.4)



日本大通りの横浜公園側の端にある「旧関東財務局」は、日本近代建築の先駆者 「渡辺節」の設計である。路上建築探偵団御用達の「内幸町大阪ビル」の設計者として有名だ。渡辺節は大阪を根拠としていたので、もともと関東地方に作品は少なく、横浜では唯一のものである。
この建物は財務局が移転してから横浜市が取得した。一時期アートの拠点「ZAIM」として活用されていたが、現在は休止されているのが少し寂しい。

旧関東財務局   (smc PENTAX-A 50/1.4)


旧関東財務局 ( RICOH GX-200)

旧関東財務局  (RICOH GX-200)

当時のZAIM (2009:現在は閉鎖) (RICOH GX-200)

ZAIM内部 (2009)     (RICOH GX-200)

ZAIM Gallaly (2009)    (RICOH GX-200)

ZAIM Cafe (2009:現在は閉鎖)   (RICOH GX-200)

ZAIM Cafe (2009)     (RICOH GX-200)

2011年6月19日日曜日

雨の日と望遠マクロ

梅雨が続いている。
雨が降ると、風景が一層際立つ。

写真とは、光を二次元に固定化する作業である。フィルム(感光素子)に投影されるのは光の粒子そのものだ。水は、光を反射し、また屈折させる。また、水は水平に広がるとともに、表面張力によって丸くなろうとする。水はまたあらゆるところに浸透し、水が十分含まれることで物性も大きく変化するようだ。

砂漠に降ると、待ち構えていた草花が咲き誇って風景が一変するように、雨は身近な風景さえも大きく変えてしまう。






オールドレンズを始めて一時期、接写リングなぞ買い込んでマクロ撮影をいろいろ試していた。おおきなボケ味は小型のデジカメにはない、一眼レフならではの持ち味だ。
マクロ専用レンズとして初めて買い求めたのが、smc PENTAX-M MACRO 100/4(M42ではなくKマウント)である。

望遠系のマクロは背景を大きくぼけさせることができる。また、当然のことながら、あまり近寄らなくてもアップで撮ることが可能であり、面白い写真が撮れる。

雨の日の庭先。決して大きな庭ではないが、望遠マクロレンズで覗いた世界は大きく広がっていた。











雨が降って広がった水の膜は、無風状態ならば限りなく平滑な面となる。そこに写った世界はもうひとつのミクロコスモスである。
望遠マクロならではの世界ではなかろうか。









2011年6月12日日曜日

波止場でスケッチ

横浜の街の魅力のひとつが、「歴史ある港町」にあることは間違いない。西洋文化の受け入れ口であり、街を歩くとあちこちで「日本〇〇の発祥の地」という碑に出くわす。

古いもの(廃墟系)が好きで、カメラを持っている時もつい、そういったものに目を向けてしまうのだが、鎌倉と違って、すべてにバタ臭さが漂うのも、また横浜の魅力なのだろう。
「近代建築」と肩肘を貼った言い方でなくても、古くて趣きのある建物は、有名なものの他にもいっぱいある。












象の鼻パーク近くは一番古い波止場を整備したものだ。周辺にはそんな古を感じさせる建物が集中している。公園として整備されたおかげで、今まで裏側(波止場側)であったのものが、人の流れが変わって、表の顔として脚光を浴びることになったことも面白い。