2011年3月27日日曜日

水彩スケッチの道具

水彩は気軽でしかも表現力の大きい画材だ。ブログ主の場合、外でしか描かないので携帯性が重要となる。最小限これだけあれば充分だ。
スケッチが従である場合のお出かけ道具(必要最小限のもの)。

最小の水彩スケッチ道具
左より固形絵具セット、水性ペン、水筆ペン、 はがき大スケッチブック

固形絵具は、携帯性に優れた道具である。ただし、あまり色数は多くないので、お気に入りの色と入れ替えられるものがよい。

筆は「水筆ペン」が意外に便利である。柄のところに水が入るようになっていて、柄を押すことで筆先に水が染みるようになっている。描き心地も思ったより悪くはない。簡易的なものと思われがちだが、外でスケッチする時の理想的な道具といってよいのではないか。太めのものが一本あればかなり使える。もともと高いものではないので高級品を選んだとしても大したことはない。

スケッチブックは、はがきサイズからF1くらいまでのワトソン紙。


次は,主目的がスケッチのときのお出かけ道具。

標準のスケッチ道具:左から携帯用筆入れ
スケッチブックはF3とF4
折りたたみ椅子(アルミ製で軽い)

折りたたみ椅子。短い時間とはいえ、ずっと立って描くのはつらいもの。何も腰掛けるとことが無いところで描く時に便利だ。
スケッチブックはSM,F2~F4の中からから2冊程度持っていく。


標準のスケッチ道具:下左より:顔彩、水彩パレット
上左より:折畳み式鉛筆立て(水彩色鉛筆を入れるため)、携帯用筆洗、布

「パレット」もホーロー製の大きなもの。色数が多くなるだけでも「描くぞ」という気になってくる(いつも使うお気に入りの色はそんなに多くないのだが)。各マス目に二色ずつ入れているので計52色だ。チューブ式の絵具を使っているが、夏の暑い時期には絵具が溶け出したりするので注意が必要だ(上左の茶色の絵具が流れている)。固形絵具を使えばそんな心配はいらないが、この色数を揃えようとするとかなり高価になる。
左は顔彩。日本画の道具だが、緑青など顔彩しか出せない色がある。水彩絵具にも違和感なく溶け込む。


標準のスケッチ道具:携帯用筆入れの中身
左より:水彩色鉛筆、消しゴム(練り消しと通常のもの)
、カッター(鉛筆削り用)、擦筆(使わない)
ドローイングペン、鉛筆各種、水彩筆、面相筆(使わない)
筆は水筆ではなく、普通の水彩筆である。大きいスケッチブックの場合には、水筆ペンの太さではさすがに心もとない。
筆洗いは携帯用の水入れが付いているもの。普通の筆洗だけだと意外と水を調達するのに苦労したりする。
筆は4本写っているが、使うのは太目と細めの平筆2本だけ。丸筆は使わない。丸筆の代りに面相筆を用意したが、結局使わないままだ。
スピード命のスケッチにおいては、ほとんど1本の平筆だけでさっさと描いてしまう。

横浜ベイブリッジ(はがきサイズ)

ブログ主の描き方だと、筆よりも下絵にどういう画材を使うかの方が重要だ。
鉛筆、水性ペン、木炭など。何を使うかで画風も変わる。

画材が水に溶けやすいがどうかも重要な要素だ。水に溶けにくいほうが、水彩絵具を載せた時に濁らない。

「鉛筆」は下絵の基本。柔らかいほうが好み。10Bか6B。柔らかいほうが水に溶けやすい。時に思い切り太い芯の鉛筆も使ったりする。
鉛筆より濃い黒色が欲しいときには、「CARAN D'ACHE GRAFWOOD」や「Pitt Charcoal」などを使う。後者は「木炭鉛筆」で特に水に溶けやすいので注意が必要。



上海 豫園 (下絵は鉛筆、SMサイズ)


「水彩色鉛筆 STAEDTLER karat aquarell」。基本的には色鉛筆なのだが、水でなぞると水彩画のようになる。あまり使わない。どうしても繊細な表現となることと、鉛筆をとっかえひっかえして色を塗るのが面倒なせいかもしれない。


横浜 クィーン (下絵は水彩色鉛筆 SMサイズ)

下絵の画材として、今一番気に入っているのが、「DERWENT DRAWING」というイギリス製の色鉛筆(ドローイングペン)である。芯の太さ、柔らかさもスケッチにぴったりだ。色合いも微妙な感じが素敵だ。数種類あるので好みの色を数本揃えておくとよい。水に溶けにくい点も水彩スケッチに最適だ。


ぴん(下絵は”DERWENT DRAWING” SMサイズ

柴又帝釈天 (下絵jは”DERWENT DRAWING” 屋根の色に顔彩使用  F4サイズ

2011年3月19日土曜日

スケッチのこと

スケッチはすべて現地で描いている。
写真を元にスケッチ、などということはしない.写真を撮るのと同じように,その場で感じていることを写し取ることが重要と考えるためだ.
描く時間は長くて30分。早ければ10分で終了する。

旧帝蚕倉庫事務所(遠藤於菟)

旧帝蚕倉庫周辺では再開発が進められている(北仲通り再開発)(RICOH GX200)

タイトルの背景としているみなとみらいの絵は、大桟橋の上から描いたものである。
一日横浜の街をスケッチをしながら歩き回ったので、疲れて大桟橋の屋上テラスでビールを飲みながら休んでいた。ここからの眺めは世界でも有数のものだと思う(おそらく)。

大桟橋よりみなとみらいを望む(RICOH GX200)


大桟橋ターミナル屋上テラス(RICOH GX200)








しばらくすると、みなとみらいのビル郡を背景に素晴らしい夕焼けが始まった。しばらく見とれていたが、やっぱり絵に留めておきたくなった。早くしないと夕焼けが終わってしまう。いつに増して大急ぎで描きだしたのだが、これからフィニッシュというときに雨が降り出した。空が滲んでいるのはそのせいである。




未完のままで止めてしまったので、さすがに家に帰ってからもう少し書き足そうと思ったのだけれど、少し手を入れただけで止めてしまった。もうその場に居るときと同じ手の動きはできないし、とりあえず一番描きたかった夕焼けの色は塗ってあったからだ。

絵は止め時が一番難しい。特に水彩画は描き足すことはできても、描き消すことは出来ないからだ。まさに「一期一絵」なのである。

RICOH GX200


RICOH GX200


RICHO GX200

2011年3月14日月曜日

吉田町アート&ジャズフェスティバル

横浜に吉田町というところがある。
かつては外国人居住地の関内と、東海道神奈川宿を結ぶ通り道であったらしい。現在では、イセザキモール入口から野毛抜ける200mほどが吉田町通りと呼ばれる。

この通り沿いには、昭和30年代に建ったと思われるレトロなアパートが連なり、建物を覆い隠さんばかりの並木とも相まって、パリの下町の雰囲気(よくは知らないが)も漂う魅力ある空間となっている。

吉田町通り

アパートの1階は店舗となっているのだが、ここは知る人ぞ知る(のん兵衛だけが知っている)バー通りとなっている。居酒屋ではなくでバーである。船員バーというよりはもう少しお洒落お店が多い。
また、ここはアトリエ通りでもあって、画廊や画材店も多く、独特の雰囲気の町並みを形成している。




吉田町はアートとジャズ(バーにジャズはつき物)による街興しが盛んである。
最大のイベントは毎年春に行われるアート&ジャズフェスティバルだ。一種のフリーマーケットなのだが、特徴的なのは売り物がすべて「アート」(自称を含む)である点だ。

作者の本職は魚屋さん

ブログ主のお店
歩行者天国となった道路脇に、露天で思い思いに店を広げる。お決まりの似顔絵描きもあるのだが、そこは「アート」。「えっ、そんな顔にしちゃっていいの」と思われるものも結構人気だったりする。


また、通りにはステージが設けられ、ジャズのライブ演奏が行われる。そんなジャズメンを描き続ける人もいる。

ブログ主も最近は毎年参加している。絵を見に来る(ひやかしに来る)人との対話を楽しみ、聞こえてくるジャズの調べを肴にしながら、昼間からワインを飲む。
我が家の春を告げる年中行事のひとつとなった。

写真は昨年のフェスティバルの様子だが、このときのレンズは ENNA Munchen Lithagon 35/3.5 。小型でお洒落なレンズである。ENNA社という名前も創設者の娘の名前を取ったものらしい。この街を撮るにふさわしいレンズか。


ENA Munchen Lithagon 3.5/35

今年も、4月16~17日に行われる予定である。
ジャズとアートとお酒でゆったりとした横浜情緒満点の雰囲気を楽しんでみませんか。


お酒もアートに

名物おじさんもいたりする。

2011年3月7日月曜日

鎌倉報国寺と露出のことなど

マニュアルで写真を撮る場合、露出をどう合わせるかという問題がある。
カメラは、露出(絞り値)とシャッタースピードの最適解を見つけ出すことが重要である。「絞り値」×「シャッタースピード」で露光量が決まるのであるが、その最適解は、レンズ、光の状態、撮影意図などによって異なる。





鎌倉報国寺 竹の庭
通常は、絞り開放状態でピントを合わせ、シャッターが切れる瞬間に設定した値まで絞り込まれて露光されるようになっている。ピント合わせは常に絞り開放状態でなされるため、ファインダーが明るくピント合わせしやすい。絞り値はレンズの方で設定するが、メカニカルな(あるいは電気的な)機構を通して本体の方に伝達される。

M42レンズでは、絞り値をカメラに伝えるためのピンが出ているが、当然、カメラ側にはそれと連動する機能はない。絞りを絞ればそのままファインダーが暗くなる。概ねF4を越えるとピントを合わせるのが困難になる。スプリットスクリーンも影が出て見にくくなってしまう。
それゆえ、オールドレンズを使う場合には(1)ピント合わせ、(2)露出値の設定(測光)、(3)シャッタースピードの設定という手順となる。

PENTAXのデジ一ではマニュアルモードでAE-Lボタンを押すと、レンズ絞りに応じたシャッタースピードが調整される。マニュアルモードの他に絞り優先モードも使えるはずであるが、誤差が大きいとして推奨されていない。
いずれにしても実際の撮影では一発で決まるというよりは、撮影結果をモニタで見て、設定を調整する場合が多い。絞り優先モードの方が調整幅が狭いので、自然マニュアルモードで使うことが多くなった。

今日のお供は AUTO YASHINON-DS 1.4/50 である。
富岡光学のOEMとされているものだ。一部に熱狂的ファンがいることで知られている。非常に重厚感のあるのあるレンズでしっかりと玉が詰まっている感じがする。非常に美しいレンズだ。

Auto YASHINON-DS 50/1.4
絞り連動のための押しピンが見える

Auto YASHINON-DS 50/1.4

しかし、Pancolarに比べて露出の補正には少々苦労した。どうも振れ幅が大きい気がする。レンズによって特性が違うようである。まあ、それも楽しみの内か。





鎌倉報国寺