2011年4月24日日曜日

吉田町とロシア製レンズ

LZOS INDUSTAR 61L/Z-MC 50/2.8
今年も新緑の季節とともに、吉田町ジャズ&アートフェスティバルが行われた。天気が心配されたが、幸いにして持ち直した。春の恒例行事として今年も参加だ。

過去の経験から、横浜の絵を品ぞろえの中心とする。売ることが目的ではないものの、売れればやはりうれしい。

日は差しているものの、風の強い日だった。セッティング中に何度か絵が飛ばされたが、なんとか店開き。やれやれと早速ワインを飲み始める。

LZOS INDUSTAR 61L/Z-MC 50/2.8

LZOS INDUSTAR 61L/Z-MC 50/2.8

ジャズのライブセッションが、店開きしているところの左右交互から間断なく聞こえてくる。
新緑のもと、かなりご機嫌なシチュエーションだ(昼間から飲んでいるから当たり前であるが)。顔馴染みのアーティスト(出展者)もかなり増え、一年ぶりの挨拶を取り交わす。

LZOS INDUSTAR 61L/Z-MC 50/2.8

今日のお供は、INDUSTAR 61L/Z-MC 50/2.8。手に入れたばかりで今日が初めての本格的な撮影だ。1980年から製造されたロシア製(製造当時は旧ソビエト連邦)の、M42にしては比較的新しいレンズである。2005年まで製造されていたらしい。自分のはと、製造番号を確認してみると1983年製であった。



プラスチック?の鏡胴はお世辞にも美しいとは言い難いが、映りがいいとの評判につられて購入したものだ。思ったよりも細身である。

使ってみて驚いた。まず、ピントが合わせやすい。切れがよくかっちりと結像してくれる。モニターで見ても色が濃密な感じがする。そして絵が立体的だ。写していて楽しい。
うーん、これでデザインが良ければいうことないのだが。

テッサー型だというので、比較をしてみようと本家 Tessar を探したのだが、あいにく見つからず(整理が悪い)、出がけで時間がなかったので、Pancolar を持ち出した。

下がその比較写真だ。


LZOS INDUSTAR 61L/Z-MC 50/2.8


Carl Zeiss Jene PANCOLAR 50/1.8

色の再現性が良くコントラストも高いので、立体感が強くなるように感じる.
一度、三脚を使ってきっちりと比較してみよう。

有名な星ボケは少し絞り込む(F5.6~F8)ことによって出現する。近景に焦点を合わせて背後をボケさせることが必要だ。

背景に星ボケ  (LZOS INDUSTAR 61L/Z-MC 50/2.8)

さて、ジャズ&アートフェスティバルも終盤。
ジャズバンドの熱演に、おじさんもおばさんも皆踊りだし、楽しい終幕を迎えることができた。

LZOS INDUSTAR 61L/Z-MC 50/2.8

LZOS INDUSTAR 61L/Z-MC 50/2.8

絵は? そこそこ売れました。ありがとうございました。

LZOS INDUSTAR 61L/Z-MC 50/2.8

2011年4月17日日曜日

ご近所の桜めぐり

今年は寒さがいつまでも続き、例年ではいくら寒くても4月1日には咲く桜が一週間遅れとなった。
4月10日は折しも選挙の日であるが、投票ついでに近所の桜を見て回ることにした。


今日のお供は Flektogon 35/2.8。スナップショットには一番使いやすい。いざとなればマクロレンズとして使えるのも心強い。

デジカメ一眼の撮像素子はAPS-Cと呼ばれるサイズが標準となっているが、35mmフィルムの約1/2の大きさしかない。つまり昔のハーフサイズのカメラで撮っているようなのものだ。
この場合、35mmに比べ画角が1.5倍相当になる。つまり、焦点距離35mmのレンズの場合、35×1.5=52.5mmとなりほぼ標準レンズに該当する。

オールドレンズを使う場合にはこの画角の違いが一番ネックとなる。レンズの特性を生かそうとすれば、35mmフィルムと同じ大きさのフルサイズモデルとする必要があるが、あの大きさ重さには閉口してしまう。

それでなくてもデジカメは強力なバッテリーや電子基板が必要となるので大きくなりがちだ。もっと小さく小型で35mmレンズがそのまま使えるものが出てこないものか。ミラーレスなら実現できそうだが、光学式ファインダーは諦めざるを得なくなる。ファインダーは電子式でよいとしても、シャッター音がほとんどしなくなるのは嫌だ。でも出ないだろうなあ、フルサイズのミラーレス機なんて。

横浜らしく周辺にはまだ斜面林が多く残っている。多くは山桜で、いつもであればソメイヨシノより一足先に咲くのだが、今年は一緒になって咲いている。



里山の風情が残る一角の桜。これはソメイヨシノだ。




桜は撮るのに難しい花だ。微妙な淡いピンク色。明るさを出すために露出はオーバー気味にするのが定石だが、それでは空の青さが飛んでしまう。空の青さを出すには露出は絞り気味とする必要があるのだが、その兼ね合いが難しい。
人間の目はカメラよりはるかにダイナミックレンジが大きいのである。最新機種のデジカメでは露出を変えた複数枚の画像を自動合成してレンジを広げてくれるものがあるという。便利なものだが、どうも触手は動かない。

近くの「市民の森」の桜。「市民」といってもご近所の人しか来ない。ゆったりと花見を楽しむには一番だ。
空の青さと桜の華やかさが両立できたと思ったのだがどうだろう。




2011年4月10日日曜日

横浜近代建築スケッチ

横浜でアートといえばトリエンナーレが有名であるが、歴史的建造物を活用した取り組みも活発だ。

横浜は港町だけあって近代建築の宝庫だ。消え行く運命にあるこれらの建物に新しい生命を吹き込んで都市としての活力として利用する試みもいくつかなされてきた。赤レンガ倉庫がその最大の成功例だ。
その近くの北仲通りでは現在再開発がおこなわれている。以前スケッチに書いた「旧帝蚕倉庫事務所」がどうなるか気にかかるところであるが、どうやら保存されるようである。

今日はやっと桜も満開となった。先週の日曜日はまだ冬の最中といった感じの寒い一日であったが、関内までスケッチに出かけた。

みなとみらい線の馬車道駅が出発点(RICOH GX200)

馬車道駅構内 すでにレトロ (RICOH GX200)


馬車道に建つ旧富士銀行は東京藝術大学キャンパスとなっており、その近くの旧第一銀行横浜支店は、ヨコハマ創造都市センターとして、活用されている。

旧富士銀行横浜支店:現在は東京藝大キャンパス (RICOH GX200)


そこからほど近いところに本町ビル(旧帝国火災横浜支店)がある。有名なものではないがニューヨークのアパートを彷彿とさせる趣のあるビルだ。

本町ビル (旧帝国火災横浜支店) (RICOH GX200)

本町ビル全景 外部階段がレトロ (RICOH GX200)


本町ビルスケッチ 本日1枚目
日本郵船の建物自体も由緒あるものだが、その一角が博物館になっている。「船→建築」展をやっ
ていたので入ってみた。20世紀の巨匠コルビジェの建物が、これほど船そっくりだったとは!時代の最先端の大型汽船へのあこがれが垣間見える。

日本郵船歴史博物館 (RICOH  GX200)


下のスケッチは休憩室でお茶を飲みながら描いたもの。

日本郵船歴史博物館

旧第一銀行で活動していたバンカート(BANK_ART)は、日本郵船の倉庫に移った。2008年横浜トリエンナーレの会場にもなり、立地的にも最高の場所で期待できる。
倉庫の大空間が贅沢だ。独特の無梁板構造(マッシュルーム構造;梁がないのですっきり)の柱も美しい。

BankArt Studio NYK 内部 :無梁板構造の柱が美しい(R(ICOH GX200)

BankArt Studio NYK: 内部展示スペース (R(ICOH GX200)

BankArt Studio NYK 内部 :アート書籍がいっぱい (R(ICOH GX200)

BankArt Studio NYK  (R(ICOH GX200)

BankArt Studio NYK :対岸は横浜赤レンガ倉庫  (R(ICOH GX200)
日本大通りに面する横浜情報文化センターは、旧横浜商工奨励館をリニューアルしたもの。玄関部分が保存されている。アールデコ風の美しい意匠だ。

旧横浜商工会議所玄関ホール (RICOH GX200)


旧横浜商工奨励館:階段ホール (RICOH GX200)

旧横浜商工奨励館:2階階段ホール (RICOH GX200)

近くの三井物産横浜支店のビルは遠藤於菟の設計。北仲通りの「帝蚕倉庫」と同じ設計者だ。柱の感じが似ている。

三井物産横浜支店 (RICOH GX200)

そろそろ休憩しようと、旧財務局の歴史的建物を活用したZAIMU(これもアートの拠点;バーが併設されていた)に行ったが、残念ながら閉まっていた。4月から閉館となったようである。

しょうがないので、近くのオープンテラスのあるパン屋さんに陣取ってスケッチすることにした。もちろん、ワインを飲みながら(休んでいる時しか描かないのね)。

ワインを飲みながらスケッチ

芽吹く寸前の木々 本日3枚目