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2012年3月20日火曜日

水彩スケッチ道具の見直し(その3)

最近は、下絵にインクを使うことが多くなった。
今のところは、これが一番好みに合っているのだろう。

あまり使わなくなったものも含め、これまでに使ったことのある下絵の画材の印象をまとめてみることにする。
もちろんこういうものは、まったく自分の好みによる。他の人に当てはまるわけではない。その時の気分によりこれからも変遷していくものと思う。




















水彩色鉛筆:水に濡らすと滲んで水彩画風になる。単色では単調で、色を混ぜるには鉛筆を取っ替え引っ替えしなければならず、めんどくさがり屋の自分としては好みではない。

チャコール鉛筆:木炭を鉛筆状にしたもの。黒くくっきりとした線が出て好みであるが、芯が柔らかいせいかすぐ線が甘くなる。

ダーマトグラフ:安価で何にでも描ける良い材料だと思う。同じ油性色鉛筆のDERWENT DRAWINGのIvory Blackに似ているが、安価なのが利点。線はすぐ甘くなるが、削らなくても芯が出せるので、太い線でぐいぐい描くクロッキー等には最適。

墨:淡墨色の筆ペンを持っている。まだ、習作以外に使用したことはない。うまく使えば面白いと思うが、まだ使いこなせていない。

油性色鉛筆:DERWENT DRAWING
芯の柔らかさが好みに合う。全16色あるが、どれも中間色で自分好みの色合いだ。下絵の色としてよく使うのは Ink Blue 3720 か Chocolate 6600。あと補助的な色合いを出すのに7種類くらい持っている。

鉛筆:STEADTLER Mars Lumograph
いろいろ試してみたが、最近はこれに落ち着いてきた。知りうる中では芯の色が一番濃い。どうしても普通の鉛筆は鉛色というか、真っ黒にはならないのであるが、この鉛筆は力を入れるとかなり黒に近い色が出て好みに合う。一番濃い色が8Bでこれを使っている。Mars Lumograph にはホルダーで使う2mm芯もあるが、残念ながら6Bまでしかない。昔はEBという8B相当のものがあったそうだが、残念なことである。あれば最小のスケッチ道具が完成したのに。

インク:インク系のものとしてはスケッチ用のサインペン(ドローイングペン)が何種類も出ている。下絵の道具としては使いやすく有効なものだと思うが、線の太さが変えられず単調になるので私の好みではない。
サインペンと同等の使いやすさで、しかも線の強弱ができる万年筆タイプの Rotring ArtPen を見つけて、インクを使い出した。線の色、太さなど書き味も好みに合う。

ただ、MOLESKIN水彩ノートなど小さいスケッチブックであれば ArtPen でよいが、それ以上のサイズだと線の太さがもの足りないので、ペン先も使っている。Gペンや丸ペンが有名であるが(懐かしい。昔これでよく漫画を描いていた)、スケッチ道具としては線が細すぎる。
カリグラフィー用のものが使いやすそうだ。カリグラフィー用のペンは、あの独特のアルファベット書体を描くためのものだが、インクを溜める機構も備わっていて非常に使いやすい。先が丸いものと平たいものがあるが、スケッチには先の丸いもののほうが良い。1mmと2mmのものを使っているがもっと太いものもある。ArtPenはおよそ0.5mm位にあたるだろう。寝かせれば太い線が、ペン先を立てると(あるいは裏返すと)細い線になる。

ArtPenも店で試し描きしたときは、もっと太い線が出せたのだが、実際に使ってみるとそうでもない。どうやら試し描き用のものは、ペン先がヘタって少し曲がっていたようだ。あのようにうまく曲げるために、今極力、力を入れて描いているところだ。

左より、タチカワBタイプ1mm、日光2mm、Rotring ArtPen

ペン先の拡大:左より日光2mm、タチカワBタイプ1mm、Rotring ArtPen






















インクは、水彩絵の具をのせてもにじまない耐水性のもの。長く使わないと固まってしまうので、使用後は、お湯につけてインクを洗い流すなど、ちゃんしたメンテナンスが必要だ。

ArtPen、水筆2本、鉛筆ホルダー、それに加え固形絵の具とMOLESKIN水彩ノートを用意すれば、最小のスケッチ道具が完成する。消しゴムと芯削りを加えて、ちょうどArtPenの付属ケースにピッタリと収まった。

これが最小のスケッチ道具





















最初のスケッチ道具の絵は、最近、スペインにスケッチ旅行に行った時のもの。行きの成田エクスプレスの中で描いたので、随分と線が搖れている。
持っていた道具をすべて描いたのだが、実際使ったのは最小のスケッチ道具に加えて水彩筆、ペンのみ。
うっかりしていて持ち込み手荷物の中に入れておいたので、カッターは空港で没収されてしまった(やれやれ)。

2011年10月17日月曜日

横浜オクトーバーフェストとロットリングアートペン

もう少し気軽なスケッチを楽しみたいと思ったのは、モレスキンの水彩用のノートを手に入れたからだ。
かたち的には普通のノートのような縦型のものがよかったのだが、あいにく紙が薄く水彩には向かない。横型のものがまあまあ厚くて水彩向き(200kg/㎡)。モレスキン独持の黒く厚い表紙がかっこよい。いかにもミーハーだがこれを日々のスケッチノートにしてみよう。
横型だけあって、パノラマスケッチも描ける。

モレスキンの1ページ目に水彩道具を描く

桜木町のパブにて

2ページを使ったパノラマ (工事中の東京駅 :新装したドームが頭を覗かせる)

横浜象の鼻パーク :大さん橋に停泊中なのは飛鳥Ⅱ

スケッチするのに鉛筆も良いのだが、ペンも気軽に書くには良い画材だ。ミリペンをいろいろ試してみたのだが、どうもしっくりこない。線が単調になるのが最大の不満点。太さの違うものを何本か取り揃えて、取っ替え引っ替えするのも面倒だ。

そんな時にロットリングアートペンを見つけた。
ロットリングは本業(建築設計)では馴染み深いメーカーだが、これは万年筆タイプのもの。
カートリッジ式だがコンバータをつければ好きなインクが使える。ペン先は幾つかの種類が用意されているが、 B(太字)を選択した。レタリング用のー番太いタイプのものだが、裏技でペン先を逆さにして描けば細い線も描ける。ものぐさなブログ主にはぴったりだ。付属のカートリッジは非耐水性なので、水彩に使うには耐水性のインクに替える必要がある。
「がしがし」と気兼ねなく描けて、自分には非常に相性が良い。習作を除き、初めてペン描きで気持よく最後まで描き通せた。

買ったその日の車中で描いたアートペンのスケッチ
上半分は付属カートリッジ(非耐水性)、下半分は耐水性のインク使用


横浜オクトーバフェストは今年で9回目。本場ミュンヘンのそれは世界最大のビール祭りだが、横浜も負けてはいない。ビアツェルト(ビールテント)もちゃんとある。
その中は、まあ騒がしいこと。みんな楽しそうにビールを飲み干している。ステージが始まるとみんな総立ちになって踊り始めた。

横浜赤レンガ倉庫でのオクトーバーフェスタ (ipod touch ;今日は一眼を持ち出さず。残念。)

ビアツェルト内部 みんなのりのり (ipod touch)


ペン画スケッチの事始めとしては良い機会だった。ビール飲みながらじっくり描けるしね。

オクトーバーフェスタ :カートリッジの非耐水インキ使用(誘惑に負けて色をつけてしまったが失敗。色を付ける前のほうが良かった。降ってきた雨でところどころ滲んでいい雰囲気だったのだが、それがわからなくなってしまった。)

オクトーバーフェストを楽しむ人々(なぜか帽子の人がいっぱい。こういう表現はペン画ならでは)

ビアツェルト内部 (耐水性インク使用)

2011年10月1日土曜日

スケッチ道具の見直し その2

スケッチ道具と一眼レフを一緒に持ち歩くようになって、スケッチ道具の軽量化をいろいろ試している。

スケッチブックの大きさはSM サイズだけだと少々心もとないので、最低F3サイズは必要だというのは分かった(スケッチ道具の見直し その1)。

新しい水彩スケッチ道具一式 スケッチブックはF3とSM. ビニル袋の中は水入れと布.


今回の最大の変更はパレットだ。軽量化のためには固形絵の具パレットが欠かせないだろう。
以前使用していたホーローのパレットは26色のマスに2色づつ52色入れていたから大幅な色数減であるが、実際使用する色はそんなには多くない。

以前使っていたパレット(右) 新しいパレット(左)


固形絵の具パレットは以前から持っていたものの、不満はやはり色数だった。14色入りだったのだが、基本色としては充分としても、もう少しバリエーションが欲しい。
今回は16色入りとした。名門ウィンザー&ニュートンのヘビーウェイトボックスである。
ヘビーウェイトボックスには24色入りもあり、どちらにするか迷ったが、24色入りのものでは大きいし重くなりすぎる。これならば従来のパレットのままでもよいのではないか。また、24色入りは筆入れの部分が大きすぎて、何か工夫しないとそのままではこれ以上の増色は難しそうだ。

16色入りは真中の筆入れのところにも絵の具を入れることができる。以前使用していたハーフパンを入れてみるとぴったりと合う。これで23色入りパレットとなった。W&Nのハーフパンはこれより少し小さいので25色は入りそう。25色入れられれば充分だろう。

大きさは大幅に小さくなったがヘビーウェイトだけあって重さはそんなに変わらない。23色に増色するとむしろ重いくらいだ。これは少々誤算であったが、これで暑い日に絵の具が溶け出すこともないはず。また、しっかりとした造りのパレットは、さすが名門と思わせるものがある。

ウィンザー&ニュートン ヘビーウェイトボックス 16色. 真ん中を増色して23色.25色までは可能。

右より,水彩筆4本,鉛筆,チャコール鉛筆,油性色鉛筆,擦筆,薄墨色筆ペン,水性ペン,消しゴム






筆は水筆も大小取り揃えて試してみたが、結局、今までの水彩筆を使用することにした。元々そんなに重いものでもないし。

下絵の道具の基本は鉛筆。通常のグラファイト系は MITSUBISHI Uni のB、3B、6Bの三本。それに加え、評判の高いSTAEDTLER Mars Lumograph の 8B を試して見ることにする。

また、チャコール(木炭)系の PIERRE NOIRE Conte。チャコール系にしては硬く普通の鉛筆に近い感じだ。濃い黒の色もよい。

油性系色鉛筆のDERWENT DRAWINGは、表現力があり最近一番良く使う画材だ。

水彩色鉛筆はあまり使わないので持ち歩かないことにした。

その他、ペン画も試して見ることにした。岸本信夫さんの街並みスケッチに惹かれたためだ。
水性ペンを0.3mmと0.5mmのもの。 それに薄墨色の筆ペン。

一眼レフを加えた水彩スケッチとオールドレンズのための新しいおでかけ道具


しばらく気分によって色々なタッチを試してみたいと思う。

横浜銀行協会(下絵は鉛筆(6B))

桜木町駅下にあるアメリカンカフェの壁(下絵はDERWENT DRAWING+薄墨色筆ペン)
ここはアップルパイが絶品


拙宅の食堂の壁 (下絵はDERWENT DRAWING+薄墨色筆ペン)


三渓園にて (下絵は鉛筆+水性ペン0.3mm)

2011年8月28日日曜日

スケッチ道具の見直し その1

スケッチ(素描)は素早さが勝負だと思う。
どんなに良いスケッチでも時間をかけて描いたのでは意味が無い。ましてや写真を見ながら描くなどというのはスケッチではない。

その場所で感じたことを2次元の紙に写し取ることがスケッチだ。
スケッチ(素描)が別の作品の下書き、あるいは習作として書かれることもあるが、そういう場合でもそれ自体が充分完成品としてみられる場合も多い。少なくとも自分のスケッチはすべて描き終わった時点で完成品である(というか、もう一度別の作品に描き直そうという根性がない)。

以前はスケッチに行く時にはスケッチ道具しか持って行かなかったが、最近は一眼レフもよく一緒に持ち歩くようになった。逆に、写真を撮りに出かけているときにも絵を描きたい。交換レンズも持って行こうとするとかなりの重さとなる。一眼レフと水彩道具を一緒に持ち歩けるように、スケッチ道具の軽量化を検討することにした。

軽量化のため椅子は持ち歩かず、立ったまま描くこととする。出来ればスケッチブックとパレットは片手で持てる大きさとしたい。

その場で描くスケッチとして、どんな大きさの紙に描くかは重要な問題だ。まずは、スケッチブックの大きさを決めよう。通常はF3~F4をよく使う。小さいものでは、はがきサイズまでのものも使ったことがあるが、さすがにすべてその大きさとすると少々物足りない。今回はもう少し大きなSMサイズを使ってみることにした。

水彩スケッチでは間(白い部分)のとり方が大切だ。描くものと紙の大きさによって間が決まる。それと下絵の線の太さ。このバランスで絵が決まると入ってよい。

今回はそれを見るための習作に近いスケッチである。
下絵には主に以前このブログで紹介した「DERWENT DRAWING」を使用、それにいくつか実験的に新しい道具を試してみた。

横浜創造都市センター(旧第一銀行横浜支店)ホール照明
DERWENT DRAWING使用

横浜創造都市センター(旧第一銀行横浜支店)入り口飾り
DERWENT DRAWING使用。

大岡川河口付近:少し窮屈?F3が適切かも。
DERWENT DRAWING使用。一部ダーマトグラフ。
大岡川河口付近:最初サインペンで描き始めたがまとまらず途中からDERWENT DRAWING使用。
サインペンの場合はもう少し小さい紙のほうが良い?
ダーマトグラフおよび筆ペン(淡墨色)使用
DERWENT DRAWING使用:ちょうど良い大きさ?

DERWENT DRAWING使用

DERWENT DRAWING使用

2011年3月27日日曜日

水彩スケッチの道具

水彩は気軽でしかも表現力の大きい画材だ。ブログ主の場合、外でしか描かないので携帯性が重要となる。最小限これだけあれば充分だ。
スケッチが従である場合のお出かけ道具(必要最小限のもの)。

最小の水彩スケッチ道具
左より固形絵具セット、水性ペン、水筆ペン、 はがき大スケッチブック

固形絵具は、携帯性に優れた道具である。ただし、あまり色数は多くないので、お気に入りの色と入れ替えられるものがよい。

筆は「水筆ペン」が意外に便利である。柄のところに水が入るようになっていて、柄を押すことで筆先に水が染みるようになっている。描き心地も思ったより悪くはない。簡易的なものと思われがちだが、外でスケッチする時の理想的な道具といってよいのではないか。太めのものが一本あればかなり使える。もともと高いものではないので高級品を選んだとしても大したことはない。

スケッチブックは、はがきサイズからF1くらいまでのワトソン紙。


次は,主目的がスケッチのときのお出かけ道具。

標準のスケッチ道具:左から携帯用筆入れ
スケッチブックはF3とF4
折りたたみ椅子(アルミ製で軽い)

折りたたみ椅子。短い時間とはいえ、ずっと立って描くのはつらいもの。何も腰掛けるとことが無いところで描く時に便利だ。
スケッチブックはSM,F2~F4の中からから2冊程度持っていく。


標準のスケッチ道具:下左より:顔彩、水彩パレット
上左より:折畳み式鉛筆立て(水彩色鉛筆を入れるため)、携帯用筆洗、布

「パレット」もホーロー製の大きなもの。色数が多くなるだけでも「描くぞ」という気になってくる(いつも使うお気に入りの色はそんなに多くないのだが)。各マス目に二色ずつ入れているので計52色だ。チューブ式の絵具を使っているが、夏の暑い時期には絵具が溶け出したりするので注意が必要だ(上左の茶色の絵具が流れている)。固形絵具を使えばそんな心配はいらないが、この色数を揃えようとするとかなり高価になる。
左は顔彩。日本画の道具だが、緑青など顔彩しか出せない色がある。水彩絵具にも違和感なく溶け込む。


標準のスケッチ道具:携帯用筆入れの中身
左より:水彩色鉛筆、消しゴム(練り消しと通常のもの)
、カッター(鉛筆削り用)、擦筆(使わない)
ドローイングペン、鉛筆各種、水彩筆、面相筆(使わない)
筆は水筆ではなく、普通の水彩筆である。大きいスケッチブックの場合には、水筆ペンの太さではさすがに心もとない。
筆洗いは携帯用の水入れが付いているもの。普通の筆洗だけだと意外と水を調達するのに苦労したりする。
筆は4本写っているが、使うのは太目と細めの平筆2本だけ。丸筆は使わない。丸筆の代りに面相筆を用意したが、結局使わないままだ。
スピード命のスケッチにおいては、ほとんど1本の平筆だけでさっさと描いてしまう。

横浜ベイブリッジ(はがきサイズ)

ブログ主の描き方だと、筆よりも下絵にどういう画材を使うかの方が重要だ。
鉛筆、水性ペン、木炭など。何を使うかで画風も変わる。

画材が水に溶けやすいがどうかも重要な要素だ。水に溶けにくいほうが、水彩絵具を載せた時に濁らない。

「鉛筆」は下絵の基本。柔らかいほうが好み。10Bか6B。柔らかいほうが水に溶けやすい。時に思い切り太い芯の鉛筆も使ったりする。
鉛筆より濃い黒色が欲しいときには、「CARAN D'ACHE GRAFWOOD」や「Pitt Charcoal」などを使う。後者は「木炭鉛筆」で特に水に溶けやすいので注意が必要。



上海 豫園 (下絵は鉛筆、SMサイズ)


「水彩色鉛筆 STAEDTLER karat aquarell」。基本的には色鉛筆なのだが、水でなぞると水彩画のようになる。あまり使わない。どうしても繊細な表現となることと、鉛筆をとっかえひっかえして色を塗るのが面倒なせいかもしれない。


横浜 クィーン (下絵は水彩色鉛筆 SMサイズ)

下絵の画材として、今一番気に入っているのが、「DERWENT DRAWING」というイギリス製の色鉛筆(ドローイングペン)である。芯の太さ、柔らかさもスケッチにぴったりだ。色合いも微妙な感じが素敵だ。数種類あるので好みの色を数本揃えておくとよい。水に溶けにくい点も水彩スケッチに最適だ。


ぴん(下絵は”DERWENT DRAWING” SMサイズ

柴又帝釈天 (下絵jは”DERWENT DRAWING” 屋根の色に顔彩使用  F4サイズ