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アルハンブラ宮殿(F4サイズ インク+水彩) |
グラナダはスペイン最後のイスラム王朝の首都だった。15世紀のナスル朝陥落により800年に及ぶイスラム支配が終了を迎えることになる。
王の居城であったアルハンブラ宮殿の一角はパラドール(国営ホテル)となっていて、中で泊まることが出来る。しかし、さすがにスペイン第一の観光地だけあって料金も一流である。同じパラドールでもロンダの4倍もする。マドリッド随一の格式を誇るホテル「リッツ」より更に高い。
グラナダには夜に着くので、その日は市内の格安ホテルに泊まることにして、翌日午前中は市内見物、午後からアルハンブラ宮殿を見学して、そのまま城内のパラドールに泊まる計画を立てた。
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グラナダ市内の格安ホテル。それでもこのグレード。 |
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このホテルもセビリアのホテル同様邸宅を改造したもの。この手のホテルは安い上に雰囲気が良い。 |
ホテルの支配人に勧められて、かつてロマ族(ジプシー)の居住区であったサクロモンテの丘の洞窟住居の中で行われるフラメンコのショーへ。完全な観光地と化していて、市内のホテルから観光客をピックアップして何台もの観光バスで乗り付ける。会場も幾つもあり、前の人について入ろうしたら「お前の会場は向こうだ」と言われた。
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サクロモンテの洞窟住居の中で行われるフラメンコのショー。 |
ショーが終わり近くの丘に案内されると、そこからはアルハンブラ宮殿が一望できた。明日が楽しみだ。期待が高まる。
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サクロモンテの丘から見たアルハンブラ宮殿とグラナダ市街 |
翌日の午前中は王室礼拝堂やアラブ街を散策。アラブ街は土産物売り場が軒を連ねる狭い路地が入り組んだところだ。その端っこの広場に面したレストランで昼食兼スケッチ。
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王室礼拝堂。中は大変広く、立派なパイプオルガンが何台もある。 |
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アラブ街の入口 |
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昼食をとった広場 |
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いつものように飲みながらスケッチ。日差しが強かった。 |
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アラブ街にて(F4サイズ インク+水彩) |
アルハンブラ宮殿はさすがスペイン第一の観光地だけあって、見学も予約制である。
入場時間も1日3回と決められていて、自分の予約は14時30分から。インターネットでの予約票もあるので、安心して先にパラドールに入ることにした。
ところが、ホテルの人が何時からの入場かと聞くので、その予約票を見せると「これは大変だ。これだけだけでは入場できない。入口のチケット売り場まで戻って入場券と引き換える必要がある。」という。もう宮殿の中に入っているのに、入口まで戻るとなるとかなりの道のりだ。すでに入場時間15分前。遅れるとどうなるか聞くと、「もうダメ、あきらめるしかない。」ときた。
ここまで来て、宮殿を見ずして帰る訳にはいかない。
妻を残して、脱兎のごとくかけ出した。ホテルの入口にタクシーがいたので、これ幸いと乗り込んでチケット売り場に急ぐ。窓口に駆け込むと、申し込んだ時のクレジットカードが必要という。どれで申し込んだのか、もはや記憶の彼方。しかも札入れはホテルのスーツケースに置いてきた。手持ちのカードは2枚。祈る気持ちでクレジットを差し出すと、幸いにして2枚目で当たった。
冷や汗いっぱいをかきやっとの思いで戻ってみると、妻は呑気に「のっぽの木が風でゆらゆらしてておもしろい。」などとのたまう。どっと力が抜けた。
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アルハンブラ宮殿の入口。のっぽの木が・・・。 |
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とにかく圧倒される装飾模様。偶像崇拝が禁止されたため、という説もある。 |
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アラベスク模様。ここの色は比較的抑制的。 |
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有名なアラヤネスのパティオ。自然とアルハンブラのメロディーが思い浮かんでくる。 |
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残念ながら、ライオンの中庭は修繕中。 |
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鍾乳洞を思わせる圧倒的な天井装飾 |
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ひと通り見終わって、アラヤネスのパティオで休憩兼スケッチ。 |
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スケッチをしていると子どもたちが寄ってくる |
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宮殿からサクロモンテの丘方面を望む |
宮殿内にあるパラドールは、修道院を改装したもの。礼拝堂など一部は当時のまま残っていて中から見学が出来る。
今まで泊まったパラドールもそうなのだが、昔のままのお城の中に泊まることを期待して行くと少し違う。外観こそ昔の雰囲気を保っているが、中に入ると近代的に改装されている。部屋もそう広くはなく、内装や設備もごく平均的なものだ。
超一流の宿泊料は、なんといってもこの場所代が大部分を占めているのだろう。
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パラドールの入口の門から庭園を通ってフロントに向かう。左側は客室。 |
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ホテルのフロント |
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ホテル内の中庭 |
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ホテルの中にこんな展示スペースもある。 |
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客室内。1階だった。そんなに広くはない。 |
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レストラン前のテラス |
とはいっても、やはりこのロケーションは素晴らしい。昼間だけでなく夜のアルハンブラ宮殿を充分に堪能できるのも、このパラドールならではのものだといえる。
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夜のアルカサバ |
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カルロス5世宮殿 |
明日はメスキータのあるゴルドバへ。
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