2011年7月3日日曜日

横浜紅葉坂

桜木町駅から県の文化センターに向かう坂は「紅葉坂」というかわいらしい名前で呼ばれている。
今はあまり無いが、昔は楓がたくさん植わっていたのだろう。

横浜紅葉坂のふもと  (Auto CHINON 28/2.8)

紅葉坂中腹 (Auto CHINON 28/2.8)

紅葉坂上近く  (Auto CHINON 28/2.8)


坂を登り切ったあたりには「神奈川奉行所」跡の碑が置かれている。開港後、横浜の治安維持、行政を司る役所として、外人居留地から離れた高台に置かれていた。吉田橋から東海道に抜ける街道沿いでもあったと思われる。

神奈川奉行所の跡地には現在、青少年センターはじめ県立音楽堂や県立図書館、神奈川婦人会館など県の文化施設が集積している。

紅葉坂より県立青少年センターを望む  (Carl Zeiss Jena Flektogon 35/2.8)

青少年センターから音楽堂を望む  (Carl Zeiss Jena Flektogon 35/2.8)



これら県の施設はすべて日本の現代建築の礎を築いた前川國男の設計であり、前川建築の変遷を眺められる場所となっている。前川はフランスのコルビュジェの元で学んだモダニズム建築の体現者であった。

県立音楽堂と図書館は1954年の完成。戦後本格的に活動を始めた時期に当たる。同時期に完成の図書館と陶器ブロックなど同一の材料が使われ、一体的に計画されている。

音楽堂は日本初の音楽専用ホールである。壁面は全て木で作られており、「木のホール」として親しまれている。リヒテルなど海外の音楽家が絶賛した非常に響きの良いホールとして有名である。最近の耐震改修後「響きが違った」というものもいるがどうだろう。

県立音楽堂  左は県立図書館   (Carl Zeiss Jena Flektogon 35/2.8)

県立音楽堂  奥は図書館   (Carl Zeiss Jena Flektogon 35/2.8)

音楽堂ホワイエ   (Carl Zeiss Jena Flektogon 35/2.8)

Carl Zeiss Jena Flektogon 35/2.8

Carl Zeiss Jena Flektogon 35/2.8

Carl Zeiss Jena Flektogon 35/2.8

今日は県の合唱音楽祭  出番まで練習  (Carl Zeiss Jena Flektogon 35/2.8)

県立図書館 陶器ブロック   (Carl Zeiss Jena Flektogon 35/2.8)



青少年センターは1962年竣工。前川の代表作「東京文化会館」や「国立国会図書館」と同時期であり、まさに油の乗り切った時期の建物と言える。コンクリート打放しのダイナミックな造形が特徴の彫塑的な建物である。
ここも最近耐震改修を行い、リニューアルがおこなわれた。

音楽堂より青少年センターを望む  (Carl Zeiss Jena Flektogon 35/2.8)

青少年センターホワイエ  (Auto CHINON 28/2.8)

青少年センターホール  (Auto CHINON 28/2.8)


神奈川婦人会館は同じくコンクリート打放しの意匠の建物で1965年竣工である。
横浜にはその他、横浜市の教育文化センターや横浜市中央図書館、横浜市中区役所などたくさん現存しており、前川フリークにとっては魅力的だ。

神奈川婦人会館  (Auto CHINON 28/2.8)


青少年センターの紅葉坂を挟んだ向かい側には、石造りのホテル「横濱開洋亭」があり、音楽堂の帰りなどにはよく利用していたが、倒産して取り壊されてしまった。
今は結婚式場が出来上がっているのだが、なんとも賑やかな造りで、少々以前の雰囲気を損ねてしまっているのが残念である。

ホテル開洋亭跡地  (Carl Zeiss Jena Flektogon 35/2.8)

県立音楽堂裏は掃部山公園につながる  (Auto CHINON 28/2.8)




小雨にけむる紅葉坂   (Carl Zeiss Jena Flektogon 35/2.8)




紅葉橋ふもとに紅葉の木のレストラン   (Auto CHINON 28/2.8)

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