2012年6月10日日曜日

スペイン水彩スケッチ(その3:ミュンヘンオリンピック公園)


今日は電車に乗って近郊まで。
バイエルン国立歌劇場の公演が今日しかなく、スペイン行きを一日延ばすことにしたのだった。スケッチ旅行に来ているので、極力建築(本職は建築設計です)は見ないようにしていたのだが、せっかくミュンヘンにいるのだからと今日は建築見学の日とした。

ミュンヘンの鉄道は市内線のUバーン(地下鉄)と、近郊線のSバーンがある。東京のように相互に乗り入れており、その違いは料金でしかない。ゾーンごとの料金体系はすごく複雑で、また各種割引チケットもありなかなか分かりにくい。手っ取り早く1日乗車券を買おうとしたのだが、最近タッチパネル式の券売機に変えたのか、web情報にあったボタン式発券機と大違いでやり方がまったくわからない。
地元の人(? もしかしたら違うかも)に聞いてもよく分からない。やっとのことで(偶然にも)たどり着いたが、階層が深すぎて旅行者にはとうてい無理だと思われた(よく見たらUバーン改札の方にはボタン式発券機があった)。こういう所を見ても、つくづくドイツは理系の国だと思う。

Uバーンでオリンピックセンター駅まで。駅はオリンピックの時整備したのだろうか、他の駅に比べて垢抜けたものだった。

Uバーン中央駅。電車はかなりレトロな雰囲気。(写真はすべてGX200)

Uバーン オンピックセンター駅


ここには、オリンピック競技場とBMV本社がある。今日のお目当てのひとつは BMV Welt(BMVワールド)だ。

駅の出口を出ると、すぐBMWワールドが見える。デコンストラクションという傾いたりひん曲がったりしている現代建築様式の代表作だ(設計はウィーンのコープ・ヒンメルブラウ事務所)。

改札を出てエスカレータを上ると、すぐ目の前にBMWワールドが。こちら側は裏入り口。


ここは巨大なBMVのショールームなのだが、それだけではなく、BMV購入者の納車式の場所ともなっている(というかこれがメインか)。ここで車を受け取る事は非常に名誉なことらしい。BMVを手に入れる特別な日を演出するためのスペースが上階の方に用意されている。そしてここはもちろん招待客しか入れない(当然のことブログ主も入れませんでした)。

なかに入ると、正にBMWワールド。

工夫をこらしたBMWのショールーム。

BMWの伝説的ミニカー「イセッタ」

一般の人が上がれるのは2階まで。それ以上は招待客のみ。

Uバーン駅側の入り口。ここでは、全てのものが浮いています。庇、空中歩廊 …。

天井もまるで雲のような浮遊感。

空中歩廊がクネクネとのたうち回る。先に行くと正面入口がある。

正面入口を出ると、そこにはあの有名な「ダブルコーン」が。
向こうにはBMW本社(4シリンダー)、BMW博物館が見える。

振り向くと、オリンピックタワー。

これが建築界の度肝を抜いた「ダブルコーン」。柱もなく屋根を支えている。

空中歩廊は建物を突き出て、BMW博物館の方まで伸びる。

ダブルコーンの中。残念ながらイベントがあるらしく、中に入れなかった。

正面入口(Uバーン駅からは反対。外にダブルコーンが見える)

空中歩廊のお立ち台


納車スペースは2階にあり、ここは一般客からもよく見える。檜舞台にたって車を受け取る。そこから直接車を運転して帰ることができるのだ。なんという心憎い演出だろう。

お立ち台から見たところ。右が納車スペース。

スロープがあり、納車スペースからそのまま車に乗っていける。

納車スペースを反対側を見たところ。塗装サンプルが見える。





そして、もうひとつのお目当てがオリンピック公園。いうまでもなく、ミュンヘンオリンピックの主会場だ。もう、40年(!)も前の事になる。日本の男子体操、バレーボールが最強だった時だ。今となってはもう信じられないはるか昔のことである。

高速道路の橋をわたるとそこはオリンピック公園

左がオリンピックプール、右がオリンピックホール。

オリンピックホール。今日は準備中だったが、コンサートのポスターがいっぱい。

オリンピック水泳ホール。

この緊張感。

水泳ホール内部。水泳教室に子供たちが泳ぎに来ていた。

入り口は丘の上にあり、自然と客席に導かれる。プールは谷底のレベル。

オリンピックスタジアムに向かう。

振り向くとオリンピックホールーとタワー。


自然の地形を生かしたと思われるスタジアムは(かなりローコストにできたのではないか)、ひっそりと、しかし強烈な存在感を持ってそこにあった(設計は吊構造の権威、フライ・オットー)。
今となっては当たり前だが、その当時、これだけの大規模な吊り構造を実現したのはすごい。しかも、とても40年経ったとは思えない綺麗さだ。建ってすぐ朽ち果てていく現代建築が多い中で、これは一体何ということだろう。これは奇跡なのか。

オリンピックスタジアム。屋根がかかっているのは、ほんの一部。

地形をうまく利用していて、屋根のほかはほとんど構造物なし。

切符売場。かなり廃墟化しているもののいい味を出している。

これが40年前のもの? すばらしい透明感(素材はアクリルの一種(PLEXIGLAS))。

雨樋のディテール。

強者どもの夢の跡。

オリンピック公園を後にして。


昼食はまた、、マリエン広場に戻ってミュンヘンきってのビアホール、ホーフブロイハウスへ。3000人(!)収容とのことで、オクトーバーフェストのような大々ビアホールを想像したが、幾つもの部屋に分かれてそれほどでもない(それでもかなり大きいホールだが)。観光名所でもあるので、昼間から飲めや歌えの大騒ぎだ。

大型犬を連れている人が多い。盲導犬でなくても普通に電車に乗っている。



マリエン広場駅に戻る。

ぶらぶら歩いてビアホールへ。

ちょっと目を引いたおじさん。BMWのお膝元ならでは?



ハーフブロイハウス内部。幾つかのホールに分かれていてかなり広い。

ミュンヘンのレストランではお約束の定番衣装。

ここは観光客も多いので、昼間から賑やか。

ここでも、肉…

肉…

スープを頼んでも肉…


ホーフブロイハウス(F4)





 午後からは、古代から現代までの美術館が集まるピナコテーク地区へ。全部はとても見ることができないので、アルテ・ピナコテークでもノイエ・ピナコテークでもなく、現代美術館(ピナコテーク・デル・モデルネ)へ。これが大正解。現代絵画はもとより、工業製品、家具、建築に至るまで、素晴らしいコレクションだった。

現代美術館

中央ホール。これを中心に展示スペースが広がる。

プロダクトデザインのセクション

階段を降りて振り向くと、中央ホールが見える。

チェコで戦前から作られていた名車「タトラ」。知らなかったけれどこれはすごい。

アキラのバイク?

初代マック。ソニーのアイボも

リートフェルトの家具も充実

喫茶スペースで一休みして

これから国立歌劇場へ。


さてさて、夜は待望のミュンヘン国立歌劇場へ。あのカルロス・クライバーが振っていたあこがれの劇場。今日の出し物は「蝶々夫人」だ。3ヶ月以上も前にネット予約したが、良い席は全て売り切れだった。これが伝統か。



中にはいって、2階ホワイエへ。

2階のホワイエ

中央の一番立派なホワイエからは直接貴賓席にいけるようだ。

正面に貴賓席が見える。ウィーンのような個室的なバルコニー席はない。

ドイツ特有の平土間席。間の通路がない。皆心得ていて開幕直前にあっという間に埋まってしまった。


ミュンヘンもこれでおしまい。明日からはいよいよスペインへ。

2012年5月6日日曜日

スペイン水彩スケッチ(その2:ミュンヘン旧市街)


ミュンヘンに着いた昨日は小雨模様の天気。今日は雨は降っていないものの、やはり寒い。防寒具を持ってきたのは正解だった(このあとのスペインではしっかりとお荷物になってしまったが)。

ホテルのレストランより(写真はすべてGX200)


今日から本格的なミュンヘン探訪。とりあえずブラブラと旧市街の中心地マリエン広場に向かった。ミュンヘン観光の中心地でもある。広場に面して新市庁舎(といっても1909年竣工。20世紀だから新しいのだろうか(旧市庁舎もある))が聳え立つ。からくり人形の時計台で有名だ。

朝のうちはまだ寒々とした天候

ドイツの名車が揃い踏み

昨日の夜歩いたノイハウザー通りを歩いてマリエン広場に。

いちごがいっぱい

途中にある狩猟博物館。なぜかお姫様座り。

さすが狩猟国の伝統か。

ミュンヘンのシンボル聖母教会は改修中。

フラウエン教会内部。ゴシック様式とはいうものの非常に簡素。

マリエン広場に到着。正面が新市庁舎。


何はともあれ、広場のオープンカフェに陣取ってスケッチ道具を広げることにする。注文は当然ビールである。普通は時計台を入れて描くのだろうが、東側にある赤い模様のビルが気に入って、それを入れて描くことにした。

新市庁舎からマリエン広場を望む。パラソルの下で描いてました。

マリエン広場( F4)


こういうゴシック建築は描くのに時間がかかるよなあ、などといっていると広場に人がどんどん集まってきた。時計台のパフォーマンスが始まるのだ。

こちらは椅子に座っているので、目の前に立たれると何も見えない。絵を描いているのに気がついて、なんのかのと(お世辞を)言い出す人もいる。途中で諦めて、せっかくだからと水彩ノートの方に時計台も描き出すことにした。

かなり離れているが、人形はほとんど等身大ではなかろうか。ラッパから始まり、結婚のお祝いだろうか王様とお姫様の廻りを上下二段に渡って踊り回っている。

約10分のパフォーマンスが終わると、これまた潮が引くように人がいなくなる(まったく皆効率が良いね)。

結局11時と12時の二回パフォーマンスを見た。毎正午にやるのかと思っていたら、なんと1日にこの2回だけだという。

グロッケンシュピール(モレスキン水彩ノート)



新市庁舎はまだ現役で使われている。トイレを探してうろうろしていたら、会議室から出てきた職員の人が丁寧に教えてくれた。

新市庁舎内部

新市庁舎内部


昼食は市役所地下の ラーツケラーに(市役所がRathausで、その地下にあるからRatskeller。そのまんまである。ミュンヘンに限らずドイツにはどこにもあるらしい)。

市役所の地下が全部そうかと思われるほど、広いレストランだ。大きな部屋に別れ、それぞれ雰囲気が違う。平日の昼間なので、観光客でいっぱいかと思いきや、中国人の団体さんのほかは、どうやら私達だけ。地元の老夫婦(しかも常連さんぽい)が多かったのが印象的であった。

ラーツケラーには中庭から入る。ライオンはバイエルン王国のシンボル。

階段を降りて地下へ。

ラーツケラー内部

名物シュバイネハクセ(豚脚のロースト)。ナイフをどんと突き刺したのは給仕のおばさんです。

ワインを飲みながら1枚(モレスキン水彩ノート)

トイレはこちら

薄暗い室内の階段にはLEDが。


午後は、ヴィクトアリエン市場でデザート(その場で作ってくれる果物ジュース)を楽しんでから、レジデンツ(宮殿)へ。市場には平日と思えないほど人(主婦にかぎらず)が集まっていた。

ビクトアリエン市場。青空市場です。

香辛料のお店

広場では昼間からビールを飲む人々が…。

野菜の数々  ―  こうした新鮮な食材を生かした料理はあるのだろうか
(自分的にはドイツの料理は基本的に皆保存食という認識なのだが)。

あらゆる部位が売っています。なぜか豚の口に葉っぱ。

デザート代わりに飲んだジュース


レジデンツはバイエルン王国(最後の王はあのルードヴィッヒ3世)の宮殿だけあって、さすがに広くて見応えがある。入口右手はバイエルン国立(州立)歌劇場がある(実際には州立に近いらしいが。国立のほうが呼び慣れている)。

レジデンツ前広場。右がバイエルン国立歌劇場。左手がレジデンツ。

レジデンツ(改修中)。例によってフェイクの工事用シート。

入っていきなりがこれ。グロテスク様式というらしい。

表面すべて貝が貼り付けられている。なんという趣味!。

見所の一つ、アンティクヴァリウム(考古館)






先祖画ギャラリー。肖像画より装飾に目が奪われる。


レジデンツを見た後、オデオン広場のカフェでしばしの休憩。ヨーロッパはこうしたオープンカフェが多く、スケッチをするのに非常に良い環境だ。(アルコールが置いてなかったので)コーヒーを飲みながら一枚。

オデオン広場のカフェにて。左がレジデンツの王宮庭園、右がテアティーナ教会、正面が将軍堂。

オデオン広場(F3)



レジデンツの西には昔の建物を中庭をつないだようなパサージュ的空間が広がっていて楽しめた。パリのどちらかと言えば歴史の重みのある(少々衰退気味の(?))パサージュに比べて、現代的に整備されたバサージュだ。その内のひとつが、ヘルツォーグ アンド ド・ムーロン(ミュンヘンのサッカー場や北京の競技場「鳥の巣」の設計者)設計のフュンフ・へーフェ。2003年竣工だ。名前からすると5つの中庭(建物)を結んだものらしい(これもそのまんまです)。

フュンフ・へーフェ入り口のカフェ



中にあるAlessiのお店。踏ん張ってドアを押さえてます。