2012年1月29日日曜日

伊勢外宮スケッチと河崎町

伊勢神宮外宮北御門口鳥居

























御正殿入口

その日、昼まではそんな気配は露程見せなかったのに、正宮の中に入ったとたん大雨が降り出した。ここは、伊勢神宮の外宮、豊受大神宮である。
伊勢神宮は、外宮に参ってから内宮に行くのが本式とされる。今まで何度もお伊勢さんに訪れたことはあるものの、本式にお参りしたことはなかった。
今回初めて外宮を参拝したのだが、本宮の中に入ったとたんにわか雨に襲われたのだ。急なことで、誰も傘を持ち合わせていない。

しばらく軒先で佇んでいたのだが、一向に止む気配がない。手持ち無沙汰であったが、写真厳禁の神聖な区域内である。写真はだめでもスケッチならよいだろうと、持ち歩いているスケッチブックを取り出して書いたのが、この絵である。なかなか降り止まないので2枚も描いてしまった。雨に煙る御正殿が垣間見える。(後で聞くと、スケッチも厳禁とのこと。神様ごめんなさい。)

SMサイズ 水彩(下絵はDERWENT DRAWING)


SMサイズ 水彩(下絵はDERWENT DRAWING)

























伊勢の河崎は、勢田川沿い広がる問屋街であり、参拝客で賑わう伊勢の町中に物資を供給する水運の街として発展した。海からの参拝客の入り口でもあった。

いまでも、河沿いに商家や蔵が立ち並び、当時の面影を残している。街歩きをするには面白いところであるが、おはらい町やおかげ横町などと比べると人気が少ないのが少々寂しい。

河崎町の喫茶店

蔵を改造したお店

























その町中にある「ぽらん」は築二百年の廻船問屋を改築した古本屋だ。お店に入ると天井まで古本が積上っており、とても真っ当(昔ながらの古本屋さんという意味で)で懐かしい感じがするお店だ。ブックオフなどの新古書店とは匂いが違う。
この町並みによく合っているともいえるし、よくぞここで成り立っているともいえる(何しろ中心街からは相当外れている)。

ここは、猫のいる古本屋としても有名で(三匹います)、お客にも動ぜずどうどうと段ボールの上に寝そべっていた。































雨宿りをしていたせいで、内宮は時間切れとなり、本格的な伊勢参りは次の機会となりました。

夕暮れのおはらい町


2011年12月4日日曜日

2011「横浜水彩スケッチとオールドレンズ」展

1週間にわたった展覧会が無事終了した。たくさんの方々にご来場いただき、感謝いたします。

展覧会中に描いたもの (モレスキン水彩ノート)

展覧会場 1F(2Fもある)

展覧会場 「横浜水彩スケッチとオールドレンズ」



モレスキン水彩ノートは、見開きで描ける。片面だけのつもりが、描いている途中で、もう一方のページにまで描き足してしまうこともしばしばだ。そのため、ついつい紙の両面に描いてしまうことになる。
絵を発表(額装)するためには、両面に書くことはタブーなのだが(会期中何度も注意されました)、あのノートをバラバラにしてしまうのも、もったいない。

水彩ノートの原画はテーブルの上に置いておくこととして、写真のコピーを組み合わせて展示することにした。

ブログに載せる場合は、画面の幅に制限があるので、どうしても、見開きの絵は小さくなってしまう。そうすると原画の迫力が無くなってしまうのだ。やはり絵はそのままの大きさで見たい。
名画も実際の大きさが、画集で見ていた印象と異なることも多い。そうすると、絵の印象そのものも変わってくるものだ。

印画紙のL2判に出力すると、ほぼ原画の大きさとなる。原画と同じように、見開きの絵は倍の大きさでレイアウトできる。
それに合うような、写真用の額が5枚あった。全部使うつもりでレイアウトしてみると余ってしまうので、写真も組み合わせてみることにした。同じ印画紙に出力しているので、写真との親和性も良い。そこまで計算していなかったのだが、絵と写真の組み合わせもなかなか良いものだ。「水彩スケッチとオールドレンズ」展にふさわしい。

ただし、原画も無いと物足りないので、テーブルの上に置いて見ていただくことにした。やはり、写真はしょせん写真。原画の良さには負ける(と思う、いや思いたい)。

「横浜水彩スケッチとオールドレンズ」パネルI

「横浜水彩スケッチとオールドレンズ」パネルII

「横浜水彩スケッチとオールドレンズ」パネルIII

「横浜水彩スケッチとオールドレンズ」パネルIV

「横浜水彩スケッチとオールドレンズ」パネルV


「オールドレンズ」部門として(?)、組写真も展示した。家のすぐ近くにある「市民の森」で撮ったもの。市民の森は丘の上にあるので、夏の暑さを避けて夕刻に散歩に行くと、ちょうど森の中に水平に日が差し込んでくる。
前にも書いたが、こうした光の粒子を感じさせる写真表現が好きだ。光を表すのに、写真は絵よりずっと表現力がある。

三原色には「光」と「色」の2種類ある。絵で「光」の三原色を表すことは難しい。色を加えることで、黒に近づいていくのだ。反対に、写真は基本的に「光」の三原色を写し取る機械だ。色を加えれば加えるほど白になる(露出オーバーの時など)。

逆説的にいえば、絵(特に水彩スケッチ)は、あまり色を重ねてはいけない。逆に、写真はあまり光を取り入れすぎてはいけない、と思うのだがいかがであろうか。






下の2枚は最新作。F4の大きなスケッチブックにセピア色のインクを下絵に使っている。この大きさだとアートペンでは少々細すぎる。付けペンを使用することにした。カリグラフィー用の太い線が描けるものだ。例によってペンを逆にすると細い線も描ける。
悪くはないが、もう一段階、線の太さのバリエーションが欲しいところだ。付けペンをもう一種類増やしてみようか、と思案中。

横浜開港記念館  F4 (インクに水彩)

横浜銀行協会 F4 (インクに水彩)


これは逆に、もう13年も前のもの。
アメリカに視察旅行をした時に、休日に絵でも描こうかとスケッチブックを持っていった。仕事に就いてからは、そう絵を描くことはなかったのだが、今思い起こせば(そういえば)、この時初めて「水彩スケッチ」を描き始めたのだった。

サンディエゴにて SM(鉛筆に水彩)

ペンシルベニア大学リチャーズ医学研究棟 SM(鉛筆に水彩)


準備に時間が無くて(サボっていて?)、額装している余裕がない。とりあえず、ありったけのスケッチブックと額を持って、画廊に駆けつけた。絵と持ち合わせの額に合うのが、これしかなかったのだ。
そういうわけで、全く意図したわけではないが、今回の展覧会では奇しくも、水彩スケッチの「ことはじめ」と「最新作」が並べて展示されることとなった。
こうしてみると、よく分かる。13年もの間、なーんにも進歩していないことが。

銀座のビルの谷間にあるお稲荷さん

銀座の街角に天使がいるのはご存知?

2011年11月20日日曜日

展覧会開催!と酒場スケッチ

ブログを始めてから初めての展覧会を開催します。
これまでも年1回開催してきたのですが(「井上久美展」に併設)、少しずつ独立することとして、今年は「横浜水彩スケッチとオールドレンズ」展として華々しく(?)開催することにしました。
隣で「井上久美」展もやってます。

2011年 井上智史
「横浜水彩スケッチとオールドレンズ」展
銀座 ギャラリー近江
東京都中央区銀座6-9-16 ロシュビル
地下鉄銀座駅A1出口徒歩3分
交詢ビル東側向かい
2011年11月21日(月)~11月27日(日)
11:00 ~ 19:00(最終日は16:30まで)
11月26日(土)16:30~18:30 には記念パーティを開催します。
ぜひこの機会に、ご高覧賜りますようお願い申し上げます。

(展覧会場のご案内はこちら)
http://www.ginza.info/S62654.html

(井上久美展のご案内はこちら)
http://gallery-you.blogspot.com/p/20111127_16.html



モレスキン水彩スケッチノートを持ち歩くようになってから、酒場で描く機会が多くなった。もともと屋外でもワインなどで口を湿らせながら描いていたのだが、お酒が入ると条件反射的にスケッチブックを取り出すようになってしまった(ウソ)。
横に広がるスケッチノートのおかげで、テーブルの上で広げて書くのも邪魔にならない。お店の人や隣のお客さん人にも声を掛けられ話が弾む。飲むほどにペンはなめらかになる、かどうかは分からないが、少なくともよいお店(安くてうまい)ほど良い絵が描けるようだ。
残念なことには、お店の人からまだ一度もこう言われたことはない。
「その絵、譲っていただけますか。お代は結構ですから。」

横浜駅西口「ヒラツカ」(湘南の魚とワイン)

横浜野毛町 「BASIL」(イタリアン)

有楽町 フレンチバール「VAPEUR」

有楽町 「魚○本店」(静岡魚河岸)

2011年11月13日日曜日

鎌倉三河屋と丸七商店街

鎌倉八幡宮に向かう若宮大路沿いにある三河屋は、老舗の酒屋だ。面白い建物がひしめく若宮大路のなかでも、その存在感は群を抜いている。伝統的な商家建築である出し桁造りだ。出し桁とは深い軒を支えるために桁が外に出ている形式をいう。

それに加え、入り口の差し鴨居は、その大きさといい長さといい、本当に立派なこと。これだけのものはちょっと見ないなあ。
白壁の土蔵は冷蔵庫として使用している。




お店の中も見せていただいたが、創業当時からと思われる立派な金庫が奥に鎮座していた。今度は是非中を描かせていただきたいものである。

敷地内には荷物搬送用のトロッコの線路が敷かれている。現在も使用しているとのこと。
オープンカフェにもなる隣のレストランからこの風情ある景色を楽しむことができる。

E.Ludwig Meritar 50/2.9

E.Ludwig Meritar 50/2.9

E.Ludwig Meritar 50/2.9

E.Ludwig Meritar 50/2.9

E.Ludwig Meritar 50/2.9

E.Ludwig Meritar 50/2.9


鎌倉駅東口に降り立つと(地元の人を除いて)大概の人は小町通りや鎌倉八幡宮に向かうため、左手に向かう。
それと反対の右手方向に向かうと、近代的なビルの横に、「三丁目」的雰囲気の路地が顔を見せている。「丸七商店街」。商店街といってもひとつの建物の中のL型の路地に小さいお店が張り付いている。雑貨や花屋、魚屋さんの他に、食べ物やさんも多い。赤提灯がよく似合う路地だ。


E.Ludwig Meritar 50/2.9






E.Ludwig Meritar 50/2.9

入り口をスケッチした後、中の立ち飲みの居酒屋に入った。はじめはお客さんが少なかったので、安心して描き始めたのだが、瞬く間に常連の人でいっぱいになってしまった。



アートペンはコンバーターを使えば、好きな色のインクを使うことができる。今回はセピア色のインクで下絵を描いている。三河屋みたいなレトロな風景にはよく合うだろう。
下の絵は、元町のレストランにてスケッチしたもの。漫画風でなく軽めの感じに仕上がって良い感じ。