2011年10月30日日曜日

横浜トリエンナーレスケッチ


横浜トリエンナーレの始まりは、2001年。
あの時は、インターコンチネンタルホテルの壁面に巨大な昆虫が張り付き、度肝を抜かれた。2005年には、山下公園のコンテナを積み上げたインスタレーションや、オコ・ヨーコの銃弾で蜂の巣になった貨物車(あれは何年だったかな?)も印象的であった。

そのトリエンナーレも今年で4回目(2回目がクアドリエンナーレ(というらしい)になってしまったから1年ずれている)。今回は11月6日までなので、もうほとんど終盤だが、今回の印象は何だろう。ホーキを掃いてるお姉さんたちのイメージ?。横浜美術館が主会場となり、収蔵品も交えて展示されていることもあり、国際的な現代美術の実験場、というよりはもう少し落ち着いた印象に思える。良く言えば熟成してきたのだろうか。お祭りらしさが少し無くなった感じ。

ヨコハマ美術館前の彫刻群  (ENNA München Lithagon 35/3.5)

横浜美術館エントランスホール (ENNA München Lithagon 35/3.5)








日本郵船倉庫(バンカートスタジオ)みたいなところのほうが、トリエンナーレにふさわしい気がする。内部空間も魅力的だし、なによりアルコールがあるカフェがあるのが嬉しい。
ここは、横浜近代建築の代表である日本郵船横浜支店(歴史博物館を併設)に隣接する倉庫をそのままアートの場としたところ。倉庫独特のマッシュルーム構造の柱が非常に魅力的な空間を生み出している。外に出ると、運河を挟んで赤レンガ倉庫は目と鼻の先だ。

日本郵船海岸通倉庫 (ENNA München Lithagon 35/3.5)

(ENNA München Lithagon 35/3.5)

これはアート? それとも? (ENNA München Lithagon 35/3.5)

郵船倉庫会場で一番感心したのがこの作品。ビデオテープを張っただけのものだが、見る角度によって突然テープが消える。目の前で何のトリックもなく消えるのはすごい体験。リトアニア出身の作家 KEMPINAS の作品。
 (ENNA München Lithagon 35/3.5)

上の作品を横から見たところ。 正面に回るとテープが本当に跡形もなく消える。(ENNA München Lithagon 35/3.5)

倉庫の天窓。作品ではありません。 (ENNA München Lithagon 35/3.5)

対岸の赤レンガ倉庫を望む。(ペン、モレスキン水彩ソートブック)



ヨコハマ創造都市センターは、旧第一銀行横浜支店を改装したもの。以前バンカートスタジオはここに置かれていた。バンカートとは、バンク・アートであり、横浜の歴史的建造物をアートに活用するという試み。当初は銀行の建物が中心だったのでこう呼ばれている。

ヨコハマ創造都市センター内部。ピーター・コフィンのインスタレーションがある。(ペン、モレスキン水彩ノートブック)



新港ピアは前回トリエンナーレの会場の一つ。
港の倉庫をそのまま会場にしたように見えるが、実はトリエンナーレの時に新築したもの(そう見えない所がすごい?)。今回は新・港村としてトリエンナーレの期間に合わせ、様々なイベントが行われている。
靴屋さんや床屋さんもあり、ひとつの仮想的な街のよう。まあ、大規模な学園祭的な雰囲気と言ったら失礼か。
ここで、結婚式も行われていた。

新・港村 (ENNA München Lithagon 35/3.5)

新・港村 (ENNA München Lithagon 35/3.5)

自動ドローイング販売機  500円。中で描いています。

取り出し口から出てきたのが、これ。勢い余って破れちゃってます。 あー500円が…。

新・港村。建築家によるインスタレーション。(ペン、水彩ノートブック)

新・港村から横浜港を望む。描いている途中から夕日になり始めた。(鉛筆、モレスキン水彩ノートブック)





久しぶりに、黄金町も訪ねた。ここもトリエンナーレ期間に合わせ、「黄金町バザール」として、たくさんのイベントが行われている。
その導入空間的役割を果たしているのが、「竜宮美術旅館」。ここは、(黄金町らしく)元進駐軍相手の旅館だったらしい。そこかしこに見られる、すこし大げさな日本趣味とアールデコ(?)風の意匠の融合はそのせいかも。本来のアート作品であるインスタレーションより、そちらのほうがよほど面白い。
残念ながらもうあと1年くらいで取り壊されてしまうようだ。表でスケッチをしていたら、見回りの警官(?)さんが教えてくれた。


無料連絡バスの車窓から  (ENNA München Lithagon 35/3.5)


竜宮美術旅館 (ペン、モレスキン水彩ノートブック)

洗面室の鏝絵 (ENNA München Lithagon 35/3.5)

浴室。浴槽の中はインスタレーション (ENNA München Lithagon 35/3.5)
あちこちに池のモチーフが。(ENNA München Lithagon 35/3.5)




竜宮美術旅館 (ENNA München Lithagon 35/3.5)

夜の竜宮美術旅館 (ENNA München Lithagon 35/3.5)










2011年10月17日月曜日

横浜オクトーバーフェストとロットリングアートペン

もう少し気軽なスケッチを楽しみたいと思ったのは、モレスキンの水彩用のノートを手に入れたからだ。
かたち的には普通のノートのような縦型のものがよかったのだが、あいにく紙が薄く水彩には向かない。横型のものがまあまあ厚くて水彩向き(200kg/㎡)。モレスキン独持の黒く厚い表紙がかっこよい。いかにもミーハーだがこれを日々のスケッチノートにしてみよう。
横型だけあって、パノラマスケッチも描ける。

モレスキンの1ページ目に水彩道具を描く

桜木町のパブにて

2ページを使ったパノラマ (工事中の東京駅 :新装したドームが頭を覗かせる)

横浜象の鼻パーク :大さん橋に停泊中なのは飛鳥Ⅱ

スケッチするのに鉛筆も良いのだが、ペンも気軽に書くには良い画材だ。ミリペンをいろいろ試してみたのだが、どうもしっくりこない。線が単調になるのが最大の不満点。太さの違うものを何本か取り揃えて、取っ替え引っ替えするのも面倒だ。

そんな時にロットリングアートペンを見つけた。
ロットリングは本業(建築設計)では馴染み深いメーカーだが、これは万年筆タイプのもの。
カートリッジ式だがコンバータをつければ好きなインクが使える。ペン先は幾つかの種類が用意されているが、 B(太字)を選択した。レタリング用のー番太いタイプのものだが、裏技でペン先を逆さにして描けば細い線も描ける。ものぐさなブログ主にはぴったりだ。付属のカートリッジは非耐水性なので、水彩に使うには耐水性のインクに替える必要がある。
「がしがし」と気兼ねなく描けて、自分には非常に相性が良い。習作を除き、初めてペン描きで気持よく最後まで描き通せた。

買ったその日の車中で描いたアートペンのスケッチ
上半分は付属カートリッジ(非耐水性)、下半分は耐水性のインク使用


横浜オクトーバフェストは今年で9回目。本場ミュンヘンのそれは世界最大のビール祭りだが、横浜も負けてはいない。ビアツェルト(ビールテント)もちゃんとある。
その中は、まあ騒がしいこと。みんな楽しそうにビールを飲み干している。ステージが始まるとみんな総立ちになって踊り始めた。

横浜赤レンガ倉庫でのオクトーバーフェスタ (ipod touch ;今日は一眼を持ち出さず。残念。)

ビアツェルト内部 みんなのりのり (ipod touch)


ペン画スケッチの事始めとしては良い機会だった。ビール飲みながらじっくり描けるしね。

オクトーバーフェスタ :カートリッジの非耐水インキ使用(誘惑に負けて色をつけてしまったが失敗。色を付ける前のほうが良かった。降ってきた雨でところどころ滲んでいい雰囲気だったのだが、それがわからなくなってしまった。)

オクトーバーフェストを楽しむ人々(なぜか帽子の人がいっぱい。こういう表現はペン画ならでは)

ビアツェルト内部 (耐水性インク使用)

2011年10月1日土曜日

スケッチ道具の見直し その2

スケッチ道具と一眼レフを一緒に持ち歩くようになって、スケッチ道具の軽量化をいろいろ試している。

スケッチブックの大きさはSM サイズだけだと少々心もとないので、最低F3サイズは必要だというのは分かった(スケッチ道具の見直し その1)。

新しい水彩スケッチ道具一式 スケッチブックはF3とSM. ビニル袋の中は水入れと布.


今回の最大の変更はパレットだ。軽量化のためには固形絵の具パレットが欠かせないだろう。
以前使用していたホーローのパレットは26色のマスに2色づつ52色入れていたから大幅な色数減であるが、実際使用する色はそんなには多くない。

以前使っていたパレット(右) 新しいパレット(左)


固形絵の具パレットは以前から持っていたものの、不満はやはり色数だった。14色入りだったのだが、基本色としては充分としても、もう少しバリエーションが欲しい。
今回は16色入りとした。名門ウィンザー&ニュートンのヘビーウェイトボックスである。
ヘビーウェイトボックスには24色入りもあり、どちらにするか迷ったが、24色入りのものでは大きいし重くなりすぎる。これならば従来のパレットのままでもよいのではないか。また、24色入りは筆入れの部分が大きすぎて、何か工夫しないとそのままではこれ以上の増色は難しそうだ。

16色入りは真中の筆入れのところにも絵の具を入れることができる。以前使用していたハーフパンを入れてみるとぴったりと合う。これで23色入りパレットとなった。W&Nのハーフパンはこれより少し小さいので25色は入りそう。25色入れられれば充分だろう。

大きさは大幅に小さくなったがヘビーウェイトだけあって重さはそんなに変わらない。23色に増色するとむしろ重いくらいだ。これは少々誤算であったが、これで暑い日に絵の具が溶け出すこともないはず。また、しっかりとした造りのパレットは、さすが名門と思わせるものがある。

ウィンザー&ニュートン ヘビーウェイトボックス 16色. 真ん中を増色して23色.25色までは可能。

右より,水彩筆4本,鉛筆,チャコール鉛筆,油性色鉛筆,擦筆,薄墨色筆ペン,水性ペン,消しゴム






筆は水筆も大小取り揃えて試してみたが、結局、今までの水彩筆を使用することにした。元々そんなに重いものでもないし。

下絵の道具の基本は鉛筆。通常のグラファイト系は MITSUBISHI Uni のB、3B、6Bの三本。それに加え、評判の高いSTAEDTLER Mars Lumograph の 8B を試して見ることにする。

また、チャコール(木炭)系の PIERRE NOIRE Conte。チャコール系にしては硬く普通の鉛筆に近い感じだ。濃い黒の色もよい。

油性系色鉛筆のDERWENT DRAWINGは、表現力があり最近一番良く使う画材だ。

水彩色鉛筆はあまり使わないので持ち歩かないことにした。

その他、ペン画も試して見ることにした。岸本信夫さんの街並みスケッチに惹かれたためだ。
水性ペンを0.3mmと0.5mmのもの。 それに薄墨色の筆ペン。

一眼レフを加えた水彩スケッチとオールドレンズのための新しいおでかけ道具


しばらく気分によって色々なタッチを試してみたいと思う。

横浜銀行協会(下絵は鉛筆(6B))

桜木町駅下にあるアメリカンカフェの壁(下絵はDERWENT DRAWING+薄墨色筆ペン)
ここはアップルパイが絶品


拙宅の食堂の壁 (下絵はDERWENT DRAWING+薄墨色筆ペン)


三渓園にて (下絵は鉛筆+水性ペン0.3mm)