野毛は庶民の町というイメージがある。大衆演芸の「横浜にぎわい座」ができ、大道芸のフェスティバル開催でも有名になった。
戦後は闇市のメッカであり、造船所(今のドッグヤードガーデン)があった頃は、そこの工員達で賑わっていただろう。美空ひばりの「悲しき口笛」は、野毛の「風太郎(プーたろう)」が主人公だ。
現在でも、様々な飲食店がひしめく独特の町である。居酒屋に混じってジャズが流れるバーがあったりするところが横浜らしい。
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野毛仲通り入り口 (RICOH GX200) |
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野毛仲通り (RICOH GX200) |
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前から行ってみたかった「武蔵屋」を訪れる機会があった。老姉妹ふたりで切り盛りしている居酒屋である。
随分前に雑誌で見て行ってみようと思ったのだが、地図が大雑把すぎて見つけられなかったのだ。
それもそもはずで、見かけは何の変哲もない民家。看板も赤ちょうちんもない。
7時半頃着いたのだが、案の定満員で、しばし外で待つことに。聞けばずいぶん長い間休業していたらしい。
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武蔵屋外観 (ipod touch) |
中に入ると昔ながらの土間の居酒屋。十条の斎藤酒場もそうだが、こちらの方はもう少しこじんまりとしている。
カウンターとテーブルがいくつか。奥の座敷に通された。ちゃぶ台の幅が30cmくらいしかない。どっこらしょと座り込むが満足に足が組めないほど狭い。
座ると、すかさず「お酒ですか」との問い。ここは料理はすべてコースで、飲み物も基本的に日本酒だけだが、最初の一杯だけはビールを飲むことが許されているらしい。「お酒ですか」とは「ビールはよいですか」との意味であった。
また、お酒は三杯までしか飲めないことで有名である。ただしコップ酒なので、三杯も飲めば十分だ。
コップが置かれ、土瓶からお酒が注がれる。表面張力ギリギリで止める。上手いものである。注いでくれたのは学生のアルバイト風。ぬる燗で飲み助には丁度よい。
最初の小鉢は玉ねぎの酢漬けとおから。お酒がなくなる頃、次の小鉢も出てくる。納豆とメインディッシュの鱈豆腐だ。お新香が出てくると、これで終わりという印。でてくるおつまみも昔から変わっていないらしい。
老姉妹の方はお一人しかいらしゃらなかった。妹さんのほうが入院されているらしい。代わりにお姉さんの肩を揉んだり、料理の手伝いをしているのは横浜国大の学生だということだ。教授が常連でその縁で手伝うようになったという。
そういったことを、隣席の常連の方に教えていただく。もう何十年もこの店に通っているという。
こういう店では、客同士も自然に会話が弾む。
とりあえずは火、水、金の週3日営業とのこと。勤めが東京なので平日にそうそう来ることはできない。
つくづく残念なことである。
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一杯目:玉ねぎの酢漬け、おから (ipod touch) |
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二杯目:鱈豆腐、納豆 (ipod touch) |
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三杯目:お新香 これでおしまい (ipod touch) |
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ipod touch |
その後、野毛の老舗の焼き鳥屋「若竹」に立ち寄った。ここもご夫婦で何十年も切り盛りしている。女将さんの笑顔が嬉しいが、ついつい話がスタルジックな昔の話に戻ってしまうのだ。「そうそう、昔はねえ…」
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若竹:歴史のあるカウンター (ipod touch) |
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若竹:おかみさん (ipod touch) |
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Carl Zeiss Jena TESSAR 50/2.8 |
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