雨が降ると、風景が一層際立つ。
写真とは、光を二次元に固定化する作業である。フィルム(感光素子)に投影されるのは光の粒子そのものだ。水は、光を反射し、また屈折させる。また、水は水平に広がるとともに、表面張力によって丸くなろうとする。水はまたあらゆるところに浸透し、水が十分含まれることで物性も大きく変化するようだ。
オールドレンズを始めて一時期、接写リングなぞ買い込んでマクロ撮影をいろいろ試していた。おおきなボケ味は小型のデジカメにはない、一眼レフならではの持ち味だ。
マクロ専用レンズとして初めて買い求めたのが、smc PENTAX-M MACRO 100/4(M42ではなくKマウント)である。
望遠系のマクロは背景を大きくぼけさせることができる。また、当然のことながら、あまり近寄らなくてもアップで撮ることが可能であり、面白い写真が撮れる。
雨の日の庭先。決して大きな庭ではないが、望遠マクロレンズで覗いた世界は大きく広がっていた。
雨が降って広がった水の膜は、無風状態ならば限りなく平滑な面となる。そこに写った世界はもうひとつのミクロコスモスである。
望遠マクロならではの世界ではなかろうか。
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