2012年4月29日日曜日

スペイン水彩スケッチ(その1:ミュンヘン到着)


今回のスペイン水彩スケッチ旅行は、まずはミュンヘンから。スペインまで直行便が無いので、まずミュンヘンまで飛んだのだが、ついでに2,3日滞在して見ることにしたのだ。

行きの飛行機ではラッキーな事にビジネスクラスにアップグレードしていただけた。
機内食とは思えない、お店で頂くような食事を思い切り堪能した後、暗くなった機内でさっそくスケッチ開始。

しばらく食べられないからと日本食を選択。  このあとブリの照り焼き、御飯と味噌汁がついた。
日本酒も極上(写真はすべてGX200)。

食事後、皆ビデオを見ながらくつろぐ。(モレスキン水彩ノート)

















そろそろビデオも見飽きて。


昔は北極海の氷の雄大な風景に見とれたものだが、今はシベリアの大地の上を飛ぶ。





ミュンヘンには夕刻の17時に到着。
2つのターミナルに挟まれた大屋根の大空間がミュンヘンエアポートセンターだ。脇には同じ設計者(地元ミュンヘン工科大出身のヘルムート・ヤーン)のホテル・ケンピンスキがある。大アトリウムを得意とする設計者の面目躍如といったところか。ケーブルだけで支えるDPG(点支持)工法のガラススクリーンが美しい。

ミュンヘン空港 ターミナル2

ミュンヘンエアポートセンター 。正面にSバーンの入り口がある。その奥がターミナル1。

右手にホテル・ケンピンスキが見える。

ミュンヘンエアポートセンター左手を見る。  商業施設とオフィスが入る。

ホテル・ケンピンスキに向かう。

エアポートセンターからの入り口(ホテル地下1階にあたる)。

ホテルの1階ロビー

ロビーの両サイドは全面ガラス

ガラスのゼラニウム・ウォール。とにかくガラス攻め。

交差する張弦トラスが天井の形を形成している。間にガラススクリーンがあるのが分かりますか。

ガラススクリーンを支える高張力ワイヤー。ほとんど目立たずガラスだけで自立している感じ。

ホテルから見たターミナル2。ドイツらしくダブルスキン(二重外壁の省エネビル)。

左手がターミナル2。右手がエアポートセンター


ミュンヘンは質実剛健なお国柄か、全体的にモノトーンの印象。マクドナルドまでもが控えめだ。当たり前のようにタクシーはベンツ。ただし、車体の色のせいか、あるいは宣伝がペイントしてあるためか、あまり高級車のイメージはしない。

ミュンヘン駅前。トラムが走る。

ベンツのタクシーが並ぶ。

カールス門 。ここから旧市街。

目抜き通りのノイハウザー通り。

マックもドイツ風。



ホテルに着いたのは夜の7時を回っていた。まずは、ノイハウザー通りに面する老舗のビアレストランに。ビール醸造所直営というが、実にそれらしい。ドイツではなにはともあれ、まずビールとソーセージか。横浜のオクトーバーフェストが思い出される。

ノイハウザー通りのアウグスティーナ・グロースガストシュタッテン(モレスキン水彩ノート)

ドイツはともかく豚肉とジャガイモ。

ニュルンベルガーソーセージ。香草が入っている。

ビールも飲み干して、もうそろそろおいとま。



ドイツはホテルの値段が高い。ユーロに統一されて価格差が少なくなってきているはずだが、スペインの同レベルのホテルに比べるとはるかに高かった。
中央駅前の4つ星ホテルに泊まったが、まあ、4つ星といっても簡素で実質的なところがこれまたドイツらしい。ただ、中央駅の中にある売店が夜遅くまで開いていて、コンビニに慣れきった日本人としては大変便利なところだった。

宿泊したホテル

眼の前が中央駅(脇入り口)。

中央駅内部。ヨーロッパのターミナル駅にしては質素な感じ。

ドイツの高速列車ICEと在来線が並ぶ。

これぞターミナル駅。

駅の売店にて。左はドイツの代表的パン、プレッツェル。粒の塩が付いていてビールに実によく合う。


2012年3月20日火曜日

水彩スケッチ道具の見直し(その3)

最近は、下絵にインクを使うことが多くなった。
今のところは、これが一番好みに合っているのだろう。

あまり使わなくなったものも含め、これまでに使ったことのある下絵の画材の印象をまとめてみることにする。
もちろんこういうものは、まったく自分の好みによる。他の人に当てはまるわけではない。その時の気分によりこれからも変遷していくものと思う。




















水彩色鉛筆:水に濡らすと滲んで水彩画風になる。単色では単調で、色を混ぜるには鉛筆を取っ替え引っ替えしなければならず、めんどくさがり屋の自分としては好みではない。

チャコール鉛筆:木炭を鉛筆状にしたもの。黒くくっきりとした線が出て好みであるが、芯が柔らかいせいかすぐ線が甘くなる。

ダーマトグラフ:安価で何にでも描ける良い材料だと思う。同じ油性色鉛筆のDERWENT DRAWINGのIvory Blackに似ているが、安価なのが利点。線はすぐ甘くなるが、削らなくても芯が出せるので、太い線でぐいぐい描くクロッキー等には最適。

墨:淡墨色の筆ペンを持っている。まだ、習作以外に使用したことはない。うまく使えば面白いと思うが、まだ使いこなせていない。

油性色鉛筆:DERWENT DRAWING
芯の柔らかさが好みに合う。全16色あるが、どれも中間色で自分好みの色合いだ。下絵の色としてよく使うのは Ink Blue 3720 か Chocolate 6600。あと補助的な色合いを出すのに7種類くらい持っている。

鉛筆:STEADTLER Mars Lumograph
いろいろ試してみたが、最近はこれに落ち着いてきた。知りうる中では芯の色が一番濃い。どうしても普通の鉛筆は鉛色というか、真っ黒にはならないのであるが、この鉛筆は力を入れるとかなり黒に近い色が出て好みに合う。一番濃い色が8Bでこれを使っている。Mars Lumograph にはホルダーで使う2mm芯もあるが、残念ながら6Bまでしかない。昔はEBという8B相当のものがあったそうだが、残念なことである。あれば最小のスケッチ道具が完成したのに。

インク:インク系のものとしてはスケッチ用のサインペン(ドローイングペン)が何種類も出ている。下絵の道具としては使いやすく有効なものだと思うが、線の太さが変えられず単調になるので私の好みではない。
サインペンと同等の使いやすさで、しかも線の強弱ができる万年筆タイプの Rotring ArtPen を見つけて、インクを使い出した。線の色、太さなど書き味も好みに合う。

ただ、MOLESKIN水彩ノートなど小さいスケッチブックであれば ArtPen でよいが、それ以上のサイズだと線の太さがもの足りないので、ペン先も使っている。Gペンや丸ペンが有名であるが(懐かしい。昔これでよく漫画を描いていた)、スケッチ道具としては線が細すぎる。
カリグラフィー用のものが使いやすそうだ。カリグラフィー用のペンは、あの独特のアルファベット書体を描くためのものだが、インクを溜める機構も備わっていて非常に使いやすい。先が丸いものと平たいものがあるが、スケッチには先の丸いもののほうが良い。1mmと2mmのものを使っているがもっと太いものもある。ArtPenはおよそ0.5mm位にあたるだろう。寝かせれば太い線が、ペン先を立てると(あるいは裏返すと)細い線になる。

ArtPenも店で試し描きしたときは、もっと太い線が出せたのだが、実際に使ってみるとそうでもない。どうやら試し描き用のものは、ペン先がヘタって少し曲がっていたようだ。あのようにうまく曲げるために、今極力、力を入れて描いているところだ。

左より、タチカワBタイプ1mm、日光2mm、Rotring ArtPen

ペン先の拡大:左より日光2mm、タチカワBタイプ1mm、Rotring ArtPen






















インクは、水彩絵の具をのせてもにじまない耐水性のもの。長く使わないと固まってしまうので、使用後は、お湯につけてインクを洗い流すなど、ちゃんしたメンテナンスが必要だ。

ArtPen、水筆2本、鉛筆ホルダー、それに加え固形絵の具とMOLESKIN水彩ノートを用意すれば、最小のスケッチ道具が完成する。消しゴムと芯削りを加えて、ちょうどArtPenの付属ケースにピッタリと収まった。

これが最小のスケッチ道具





















最初のスケッチ道具の絵は、最近、スペインにスケッチ旅行に行った時のもの。行きの成田エクスプレスの中で描いたので、随分と線が搖れている。
持っていた道具をすべて描いたのだが、実際使ったのは最小のスケッチ道具に加えて水彩筆、ペンのみ。
うっかりしていて持ち込み手荷物の中に入れておいたので、カッターは空港で没収されてしまった(やれやれ)。

2012年1月29日日曜日

伊勢外宮スケッチと河崎町

伊勢神宮外宮北御門口鳥居

























御正殿入口

その日、昼まではそんな気配は露程見せなかったのに、正宮の中に入ったとたん大雨が降り出した。ここは、伊勢神宮の外宮、豊受大神宮である。
伊勢神宮は、外宮に参ってから内宮に行くのが本式とされる。今まで何度もお伊勢さんに訪れたことはあるものの、本式にお参りしたことはなかった。
今回初めて外宮を参拝したのだが、本宮の中に入ったとたんにわか雨に襲われたのだ。急なことで、誰も傘を持ち合わせていない。

しばらく軒先で佇んでいたのだが、一向に止む気配がない。手持ち無沙汰であったが、写真厳禁の神聖な区域内である。写真はだめでもスケッチならよいだろうと、持ち歩いているスケッチブックを取り出して書いたのが、この絵である。なかなか降り止まないので2枚も描いてしまった。雨に煙る御正殿が垣間見える。(後で聞くと、スケッチも厳禁とのこと。神様ごめんなさい。)

SMサイズ 水彩(下絵はDERWENT DRAWING)


SMサイズ 水彩(下絵はDERWENT DRAWING)

























伊勢の河崎は、勢田川沿い広がる問屋街であり、参拝客で賑わう伊勢の町中に物資を供給する水運の街として発展した。海からの参拝客の入り口でもあった。

いまでも、河沿いに商家や蔵が立ち並び、当時の面影を残している。街歩きをするには面白いところであるが、おはらい町やおかげ横町などと比べると人気が少ないのが少々寂しい。

河崎町の喫茶店

蔵を改造したお店

























その町中にある「ぽらん」は築二百年の廻船問屋を改築した古本屋だ。お店に入ると天井まで古本が積上っており、とても真っ当(昔ながらの古本屋さんという意味で)で懐かしい感じがするお店だ。ブックオフなどの新古書店とは匂いが違う。
この町並みによく合っているともいえるし、よくぞここで成り立っているともいえる(何しろ中心街からは相当外れている)。

ここは、猫のいる古本屋としても有名で(三匹います)、お客にも動ぜずどうどうと段ボールの上に寝そべっていた。































雨宿りをしていたせいで、内宮は時間切れとなり、本格的な伊勢参りは次の機会となりました。

夕暮れのおはらい町


2011年12月4日日曜日

2011「横浜水彩スケッチとオールドレンズ」展

1週間にわたった展覧会が無事終了した。たくさんの方々にご来場いただき、感謝いたします。

展覧会中に描いたもの (モレスキン水彩ノート)

展覧会場 1F(2Fもある)

展覧会場 「横浜水彩スケッチとオールドレンズ」



モレスキン水彩ノートは、見開きで描ける。片面だけのつもりが、描いている途中で、もう一方のページにまで描き足してしまうこともしばしばだ。そのため、ついつい紙の両面に描いてしまうことになる。
絵を発表(額装)するためには、両面に書くことはタブーなのだが(会期中何度も注意されました)、あのノートをバラバラにしてしまうのも、もったいない。

水彩ノートの原画はテーブルの上に置いておくこととして、写真のコピーを組み合わせて展示することにした。

ブログに載せる場合は、画面の幅に制限があるので、どうしても、見開きの絵は小さくなってしまう。そうすると原画の迫力が無くなってしまうのだ。やはり絵はそのままの大きさで見たい。
名画も実際の大きさが、画集で見ていた印象と異なることも多い。そうすると、絵の印象そのものも変わってくるものだ。

印画紙のL2判に出力すると、ほぼ原画の大きさとなる。原画と同じように、見開きの絵は倍の大きさでレイアウトできる。
それに合うような、写真用の額が5枚あった。全部使うつもりでレイアウトしてみると余ってしまうので、写真も組み合わせてみることにした。同じ印画紙に出力しているので、写真との親和性も良い。そこまで計算していなかったのだが、絵と写真の組み合わせもなかなか良いものだ。「水彩スケッチとオールドレンズ」展にふさわしい。

ただし、原画も無いと物足りないので、テーブルの上に置いて見ていただくことにした。やはり、写真はしょせん写真。原画の良さには負ける(と思う、いや思いたい)。

「横浜水彩スケッチとオールドレンズ」パネルI

「横浜水彩スケッチとオールドレンズ」パネルII

「横浜水彩スケッチとオールドレンズ」パネルIII

「横浜水彩スケッチとオールドレンズ」パネルIV

「横浜水彩スケッチとオールドレンズ」パネルV


「オールドレンズ」部門として(?)、組写真も展示した。家のすぐ近くにある「市民の森」で撮ったもの。市民の森は丘の上にあるので、夏の暑さを避けて夕刻に散歩に行くと、ちょうど森の中に水平に日が差し込んでくる。
前にも書いたが、こうした光の粒子を感じさせる写真表現が好きだ。光を表すのに、写真は絵よりずっと表現力がある。

三原色には「光」と「色」の2種類ある。絵で「光」の三原色を表すことは難しい。色を加えることで、黒に近づいていくのだ。反対に、写真は基本的に「光」の三原色を写し取る機械だ。色を加えれば加えるほど白になる(露出オーバーの時など)。

逆説的にいえば、絵(特に水彩スケッチ)は、あまり色を重ねてはいけない。逆に、写真はあまり光を取り入れすぎてはいけない、と思うのだがいかがであろうか。






下の2枚は最新作。F4の大きなスケッチブックにセピア色のインクを下絵に使っている。この大きさだとアートペンでは少々細すぎる。付けペンを使用することにした。カリグラフィー用の太い線が描けるものだ。例によってペンを逆にすると細い線も描ける。
悪くはないが、もう一段階、線の太さのバリエーションが欲しいところだ。付けペンをもう一種類増やしてみようか、と思案中。

横浜開港記念館  F4 (インクに水彩)

横浜銀行協会 F4 (インクに水彩)


これは逆に、もう13年も前のもの。
アメリカに視察旅行をした時に、休日に絵でも描こうかとスケッチブックを持っていった。仕事に就いてからは、そう絵を描くことはなかったのだが、今思い起こせば(そういえば)、この時初めて「水彩スケッチ」を描き始めたのだった。

サンディエゴにて SM(鉛筆に水彩)

ペンシルベニア大学リチャーズ医学研究棟 SM(鉛筆に水彩)


準備に時間が無くて(サボっていて?)、額装している余裕がない。とりあえず、ありったけのスケッチブックと額を持って、画廊に駆けつけた。絵と持ち合わせの額に合うのが、これしかなかったのだ。
そういうわけで、全く意図したわけではないが、今回の展覧会では奇しくも、水彩スケッチの「ことはじめ」と「最新作」が並べて展示されることとなった。
こうしてみると、よく分かる。13年もの間、なーんにも進歩していないことが。

銀座のビルの谷間にあるお稲荷さん

銀座の街角に天使がいるのはご存知?