2012年7月16日月曜日

スペイン水彩スケッチ(その4:マドリッド)


まだ、暗いうちからミュンヘン空港へ。朝早いせいもあるがどんよりとした天気だ。寒いドイツを離れて、陽光あふれる(と思われる)アンダルシアが待ち遠しい(その前にマドリッドに寄るが)。
空港までのUバーンの中、これぞドイツ少年という子が乗り込んできた。いかにもゲルマン系の短い金髪に加え、寡黙な面構え。

Uバーンでミュンヘン空港へ。朝の7時ころ。(写真はすべてGXR200)







左がその少年(手にはキックボード)。右はバックパッカーのお嬢さん。(モレスキン水彩ノート)
マドリッドも薄曇りであった。マドリッドの冬は雨が少なく乾燥しているのこと。「メセタ」という乾燥した台地に囲まれている。砂漠の中から忽然と緑の大都会が現れる感じだ。

マドリッド・バラハス国際空港到着(ターミナル1)。古いターミナルだ。

空港からは市バスが手軽。高速を飛ばして40分だが、2€と激安。

メセタの乾燥地帯を行く。

大きな木は全くほとんど見ない。



マドリッドでの宿泊は、少々奮発してホテルリッツ。堂々たる五つ星である。ドイツに比べるとホテルの値段が安く、同じ値段でもランクの良い所に泊まる事ができる。これから行くアンダルシアは地方だけあってさらに安い。マドリッドでは少し贅沢することにした。
少し早い時間に着いたので、まだ部屋の用意ができていない。ロビーでグラッパを飲みながらしばし休憩。さすがに格式漂うというものの、そんなに大きなホテルではない。フロントなど3人も入れば満員だ。アメリカ式ではないヨーロッパ伝統のホテルだ。
部屋もデラックスタイプではないので、それほど広くはない。ワードローブも用意してある。パスルームはそれなりのゆったりさ。

リッツ到着。


ロビーとは別室にフロントがある。なんでこんなにと思うくらい狭い。
つまり大量のお客を裁くホテルではないということ(かな?)。

伝統と格式の(?)ラウンジ



待っている間にスケッチ(モレスキン水彩ノート)


部屋のテーブル。ウェルカムサービスのお菓子。

浴室はゆったりしていた。トイレは別室(ありがたい)。

休んでいる間にスケッチ(モレスキン水彩ノート)
さすがに立地も最上級で、ホテルの隣がプラド美術館だ。このあたりは公園や美術館が集まっている場所である。
プラド美術館はいうまでもなく世界有数の美術館。特にスペインの代表的画家ベラスケスやゴヤ、グレコはさすがに充実している。専用の部屋が何室も続く。

全部はとても見ることができない。宗教的テーマも多く(つまり重い絵が多い)、早々に増築部分のレストランでコーヒーブレイク。
増築部分は、スペインの大御所ラファエル・モネオ設計。地下道でつながっているが、道を挟んだ向こう側に別館が建っている。

絵を見るにも体力がいる。今朝は飛行機に乗るのに早出したので、少々疲れた。ホテルに戻って休憩することにする。


ホテルの隣はプラド美術館。

入り口ホール。ここからは撮影禁止。

右が増築部分。

増築部分にあるカフェ

この先を行くと別館につながる。

本館の裏手。新設された入り口がある。右が本館、左手赤い建物が新しい別館(サン・ヘロニモ館)


マドリッドはプラド美術館以外は見るべきものがない、と口コミにあったが、なんのなんの、さすがはかつては世界を征服した国の首都である。ラテン的な陽気さもあり、威容と猥雑さを併せ持つ、都市の魅力が満載の街であった。

夜のホテル・リッツ

コムニカシオン宮殿(市庁舎)

アルカラ通り。屋上に凝った建物が多い。


マヨール広場


大衆的なバルにて。この店は若者が多かった。コンビニかチェーン居酒屋みたいな感じ?


ミュンヘンでは車は皆ピカピカだったが。

のりが良いお嬢さん方。





翌日は、市内随一の繁華街フエルタ・デル・ソル近辺へ。フラメンコ衣装店や陶器店を冷やかした後、スケッチを描こうと、オープンテラスに席をとったら、そこはカフェではなく、チョコラテリア(チョコラテ専門店)だった。頼んでみると、ココアなんて生易しいものではなくて、夏の日向に置いて溶けたチョコレートをそのままカップに入れたような濃厚なもの。店内を覗いてみるとチェロスを浸して食べている人が多い。しかも、男一人で入っている常連さんらしき人も結構いる(まあ、日本でも甘味処が好きな男の人は結構いるからなあ)。

リッツの朝食(もちろんビュッフェ。種類はそう多くはない)。アスパラが美味しかった。

繁華街の中心、フエルタ・デル・ソル。ドームは地下鉄入り口。

フエルタ・デル・ソルの反対側

テスカルサス・レアレス修道院横の露天商。

なんと、電動で蓋が開くと即店開き(奥の方はまだ閉まっている状態)。
路地の突き当りがチョコラテリア「バロール」。
いきあたりばったりに入ったが(いつもそう)結構有名な店みたいだ。
頼んだチョコラテ。熱々で出てくる。

(SMサイズ)

 午後は、ソフィア王妃芸術センターへ。18世紀の病院を改修した美術館だ。ここではゲルニカがお目当てだが、ジャン・ヌーベルによる増築も興味がある。今日のうちにAVE(スペイン高速鉄道)に乗ってセビリア(セビージャ)まで行かなくてはならない。まだ、三大美術館の残り、ティッセン・ボルミネッサ美術館や、あのBMW Weltのヘルツォーク・デ・ムーロン設計のカイシャ・フォーラムもある。とても全部は見られない。バイエルン国立歌劇場公演を見るために、ミュンヘン滞在を一日伸ばしたのが痛かった。残念だが、次の機会(はたしてあるのか?)にしよう。

地下鉄の最新鋭車両

地下鉄アトーチャ駅。ここで降りてソフィア王妃芸術センターへ。

左がソフィア王妃芸術センター

18世紀の病院を改修。現在は現代美術館。
増築とのつなぎの部分。右手が本館。

増築部分の1階に降りたところ。右手がつなぎの部分。

増築部はオーディトリウムや図書館など。


オーディトリウムの下がカフェになっている。


増築側の入り口

アトーチャ駅はマドリッド最大の鉄道駅であり、AVEの発着駅でもある。セビリア万博に合わせて、改修及び増築が行われた。設計は、プラド美術館増築も担当したラファエル・モネオである。旧駅舎は外観はそのままに、内部を温室として大胆にリファインしている。
背の高い柱が林立してプラットフォーム全体を覆う壮大な構造、発車ホームと降車ホームが異なる大規模な動線計画など、見所満載だ。駅の中に現代美術の展示スペースまである。マドリッドで一番楽しめたところかもしれない。

アトーチャ駅全景。右が旧駅舎、奥が新駅舎。

駅にはアートがいっぱい。アトーチャからプラドに至る道は美術館通りと呼ばれる。

新駅舎。右が乗車ホーム、奥のギザギザ屋根が降車ホーム。むちゃくちゃ広大だ。
駐車場に架かるドーム屋根が美しい。

旧駅舎内部。ホームは全て取り払われ温室となっている。

中は待合やカフェなど。

温室の中の池。中に何がいるかというと…

びっくりするほどの数の亀!

セキュリティは空港並み。







2階から長いエスカレータでホームへ。

1階ホームの様子。アテンダントがちゃんといます。

ホーム全体を覆う屋根。柱の林立する様が非常にきれい。この構造は日本では無理?

こちらは降車ホーム側屋根。形状が違う(コルドバから戻った時に撮影したもの)。

車体の「renfe」とはスペイン国鉄のこと。

こちら(降車ホーム)もエスカレータで2階へ。

ホーム横の長い長い通路を通って中央出口へ(スケールも空港並み)。

右手に駐車場屋根

駅中央部分。下に見えるのは在来線の改札口。

駅舎の中に何やら不思議な空間が。

老夫妻がなにやら熱心に覗いている。

覗いていたのはこれ。

外から見るとこうなっている。

さて、話を戻して…。いよいよアトーチャ駅を出発。

AVE内部。イアフォンを配ってくれた。

これから目的地アンダルシアへ。まずはセビーリャ。



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