2011年5月15日日曜日

AレンズとAE機構

PENTAX-Aレンズを手に入れた。現行のKマウントの内、オートフォーカス化される直前のレンズである。

smc PTNTAX-A 28/2.8

最近ずっと購入の機会を窺っていたものだ。
Kマウントでは、すでにKレンズ(SMC PENTAX)やMレンズ(smc PENTAX-M)などいくつか持っているが、Aレンズは初めてである(smc PENTAX-A 28/2.8)。

PENTAXの新旧レンズ(左よりSレンズ(M42)、Mレンズ、Aレンズ

M42マウントが廃れた原因は、ねじ込み式の制約上、カメラのAE(自動露出)化に対応できなかったことだ。絞り連動ピンはあるが、絞り情報をカメラ側に伝達する機構がなかった。

Super-Takumar 55/1.8
 Sレンズ(M42)。右に絞り連動ピン 左にマニュアルオートの切り替えレバーが見える
中には電気接点で絞り情報を伝達する方式も出てきたが、あくまで拡張機能であり、規格化されていたわけではない。所有しているレンズの中では Pancolar がそうだ。これは PRAKTICA 用のレンズのようだが、ねじ込み式なので接点がずれやすい。カメラ側には幅広い接点が用意されていたそうだ。

Carl Zeiss Jena Pancolar 50/1.8
M42レンズ。右に電気接点が3か所。ねじ込み式の誤差吸収のため間隔が開いている。

これを改良したのものがバヨネット式なのだが、残念ながらM42のように世界標準というべきマウントはできなかった。技術革新の肝のところだから各社規格の公開をしなかったのだ(ただしKマウントは当初特許公開したおかげで、リコー、チノンなどペンタックス以外のKマウントレンズが存在する)。

smc PENTAX-M 35/2
Mレンズ。レンズ左に絞り制御レバー、右に絞り伝達レバーが見える。

Kマウントは、機械的な方式で絞り制御機構と絞り伝達機構を備えている。だから開放測光が可能なのだが、Aレンズはそれに加えて電子接点を持ち、完全なAE制御が可能となっている。

Sレンズ(M42レンズ)やMレンズはマニュアルモードか絞り優先モード(説明書によると、絞り優先の場合は露出誤差を生じることがあるとのこと)しか使えないが、Aレンズではその他、シャッター優先モードやプログラムモードが使える。

smc PENTAX-A 28/2.8
Aレンズ。機械式の絞り機構に加えて左に電子接点が見える。

smc PENTAX-A 28/2.8
AE機構を利用するには絞りリングをAにセットする。つまり絞りもカメラ側で制御するということだ。

smc PENTAX-DA 18-55/3.5-5.6
デジタル専用レンズ。Kマウントは踏襲したが、電子接点が大幅に増えている。絞りリングはもはや無い。

使ってみて、まず感じたのが開放測光によるピントの合わせやすさはもとより(これはKレンズ、Mレンズでも実現できる)、露出のブレが少ないことだ。

モニタで確認して、露出が合っていないときには補正をかけて再撮影するのだが(それが気軽にできるのがデジタルの良いところ)、その割合が極端に少なくなった。
使用説明書によると、Aレンズでは多分割測光も可能とのこと。Sレンズ、Mレンズでは中央重点測光、またはスポット測光しかできない。
つまり、Aレンズでは多分割測光、Mレンズ、Sレンズでは中央重点測光で撮影していたことになる。

多分割測光は、測光結果をコンピュータ処理して露出を決定する。
最新の多分割測光ではカメラにお任せしたほうが間違いが少ないということだろう(もちろんカメラの腕によることなのだろうが)。フォーカシングにしても、最新の機械は人間の眼を遙かに凌駕しているとのことである

難しい色だが、紫が鮮やかに表現できた。

鎌倉妙隆寺。この難しい露出設定も一発で決まる。

鎌倉頼朝の墓近郊にて

鎌倉荏柄天神社

鎌倉荏柄天神社鳥居

鎌倉鎌倉宮

鎌倉鎌倉宮近郊にて

鎌倉八幡宮

楽しみのためのカメラとして、マニュアルフォーカスは譲れないのだが、露出に関してはAEの素晴らしさを堪能した次第。

どうやらAレンズも一揃い買い揃えることになりそうで、恐ろしい。

横浜東戸塚

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