今のところは、これが一番好みに合っているのだろう。
あまり使わなくなったものも含め、これまでに使ったことのある下絵の画材の印象をまとめてみることにする。
もちろんこういうものは、まったく自分の好みによる。他の人に当てはまるわけではない。その時の気分によりこれからも変遷していくものと思う。
水彩色鉛筆:水に濡らすと滲んで水彩画風になる。単色では単調で、色を混ぜるには鉛筆を取っ替え引っ替えしなければならず、めんどくさがり屋の自分としては好みではない。
チャコール鉛筆:木炭を鉛筆状にしたもの。黒くくっきりとした線が出て好みであるが、芯が柔らかいせいかすぐ線が甘くなる。
ダーマトグラフ:安価で何にでも描ける良い材料だと思う。同じ油性色鉛筆のDERWENT DRAWINGのIvory Blackに似ているが、安価なのが利点。線はすぐ甘くなるが、削らなくても芯が出せるので、太い線でぐいぐい描くクロッキー等には最適。
墨:淡墨色の筆ペンを持っている。まだ、習作以外に使用したことはない。うまく使えば面白いと思うが、まだ使いこなせていない。
油性色鉛筆:DERWENT DRAWING
芯の柔らかさが好みに合う。全16色あるが、どれも中間色で自分好みの色合いだ。下絵の色としてよく使うのは Ink Blue 3720 か Chocolate 6600。あと補助的な色合いを出すのに7種類くらい持っている。
鉛筆:STEADTLER Mars Lumograph
いろいろ試してみたが、最近はこれに落ち着いてきた。知りうる中では芯の色が一番濃い。どうしても普通の鉛筆は鉛色というか、真っ黒にはならないのであるが、この鉛筆は力を入れるとかなり黒に近い色が出て好みに合う。一番濃い色が8Bでこれを使っている。Mars Lumograph にはホルダーで使う2mm芯もあるが、残念ながら6Bまでしかない。昔はEBという8B相当のものがあったそうだが、残念なことである。あれば最小のスケッチ道具が完成したのに。
インク:インク系のものとしてはスケッチ用のサインペン(ドローイングペン)が何種類も出ている。下絵の道具としては使いやすく有効なものだと思うが、線の太さが変えられず単調になるので私の好みではない。
サインペンと同等の使いやすさで、しかも線の強弱ができる万年筆タイプの Rotring ArtPen を見つけて、インクを使い出した。線の色、太さなど書き味も好みに合う。
ただ、MOLESKIN水彩ノートなど小さいスケッチブックであれば ArtPen でよいが、それ以上のサイズだと線の太さがもの足りないので、ペン先も使っている。Gペンや丸ペンが有名であるが(懐かしい。昔これでよく漫画を描いていた)、スケッチ道具としては線が細すぎる。
カリグラフィー用のものが使いやすそうだ。カリグラフィー用のペンは、あの独特のアルファベット書体を描くためのものだが、インクを溜める機構も備わっていて非常に使いやすい。先が丸いものと平たいものがあるが、スケッチには先の丸いもののほうが良い。1mmと2mmのものを使っているがもっと太いものもある。ArtPenはおよそ0.5mm位にあたるだろう。寝かせれば太い線が、ペン先を立てると(あるいは裏返すと)細い線になる。
ArtPenも店で試し描きしたときは、もっと太い線が出せたのだが、実際に使ってみるとそうでもない。どうやら試し描き用のものは、ペン先がヘタって少し曲がっていたようだ。あのようにうまく曲げるために、今極力、力を入れて描いているところだ。
左より、タチカワBタイプ1mm、日光2mm、Rotring ArtPen |
ペン先の拡大:左より日光2mm、タチカワBタイプ1mm、Rotring ArtPen |
インクは、水彩絵の具をのせてもにじまない耐水性のもの。長く使わないと固まってしまうので、使用後は、お湯につけてインクを洗い流すなど、ちゃんしたメンテナンスが必要だ。
ArtPen、水筆2本、鉛筆ホルダー、それに加え固形絵の具とMOLESKIN水彩ノートを用意すれば、最小のスケッチ道具が完成する。消しゴムと芯削りを加えて、ちょうどArtPenの付属ケースにピッタリと収まった。
これが最小のスケッチ道具 |
最初のスケッチ道具の絵は、最近、スペインにスケッチ旅行に行った時のもの。行きの成田エクスプレスの中で描いたので、随分と線が搖れている。
持っていた道具をすべて描いたのだが、実際使ったのは最小のスケッチ道具に加えて水彩筆、ペンのみ。
うっかりしていて持ち込み手荷物の中に入れておいたので、カッターは空港で没収されてしまった(やれやれ)。