伊勢神宮外宮北御門口鳥居 |
御正殿入口 |
その日、昼まではそんな気配は露程見せなかったのに、正宮の中に入ったとたん大雨が降り出した。ここは、伊勢神宮の外宮、豊受大神宮である。
伊勢神宮は、外宮に参ってから内宮に行くのが本式とされる。今まで何度もお伊勢さんに訪れたことはあるものの、本式にお参りしたことはなかった。
今回初めて外宮を参拝したのだが、本宮の中に入ったとたんにわか雨に襲われたのだ。急なことで、誰も傘を持ち合わせていない。
しばらく軒先で佇んでいたのだが、一向に止む気配がない。手持ち無沙汰であったが、写真厳禁の神聖な区域内である。写真はだめでもスケッチならよいだろうと、持ち歩いているスケッチブックを取り出して書いたのが、この絵である。なかなか降り止まないので2枚も描いてしまった。雨に煙る御正殿が垣間見える。(後で聞くと、スケッチも厳禁とのこと。神様ごめんなさい。)
SMサイズ 水彩(下絵はDERWENT DRAWING) |
SMサイズ 水彩(下絵はDERWENT DRAWING) |
伊勢の河崎は、勢田川沿い広がる問屋街であり、参拝客で賑わう伊勢の町中に物資を供給する水運の街として発展した。海からの参拝客の入り口でもあった。
いまでも、河沿いに商家や蔵が立ち並び、当時の面影を残している。街歩きをするには面白いところであるが、おはらい町やおかげ横町などと比べると人気が少ないのが少々寂しい。
河崎町の喫茶店 |
蔵を改造したお店 |
その町中にある「ぽらん」は築二百年の廻船問屋を改築した古本屋だ。お店に入ると天井まで古本が積上っており、とても真っ当(昔ながらの古本屋さんという意味で)で懐かしい感じがするお店だ。ブックオフなどの新古書店とは匂いが違う。
この町並みによく合っているともいえるし、よくぞここで成り立っているともいえる(何しろ中心街からは相当外れている)。
ここは、猫のいる古本屋としても有名で(三匹います)、お客にも動ぜずどうどうと段ボールの上に寝そべっていた。
雨宿りをしていたせいで、内宮は時間切れとなり、本格的な伊勢参りは次の機会となりました。
夕暮れのおはらい町 |